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  1. 愛知県議会 2023-02-01
    令和5年2月定例会(第5号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 令和5年2月定例会(第5号) 本文 2023-03-07 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 86 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長須崎かん君) 選択 2 :  ◯議長須崎かん君) 選択 3 :  ◯二十六番(田中泰彦君) 選択 4 :  ◯教育長飯田靖君) 選択 5 :  ◯選挙管理委員長加藤茂君) 選択 6 :  ◯県民文化局長伊藤正樹君) 選択 7 :  ◯二十六番(田中泰彦君) 選択 8 :  ◯議長須崎かん君) 選択 9 :  ◯九番(杉浦哲也君) 選択 10 :  ◯福祉局長橋本礼子君) 選択 11 :  ◯保健医療局長吉田宏君) 選択 12 :  ◯農業水産局長矢野浩二君) 選択 13 :  ◯知事大村秀章君) 選択 14 :  ◯議長須崎かん君) 選択 15 :  ◯七十五番(鈴木純君) 選択 16 :  ◯県民文化局長伊藤正樹君) 選択 17 :  ◯教育長飯田靖君) 選択 18 :  ◯経済産業局長矢野剛史君) 選択 19 :  ◯防災安全局長坂田一亮君) 選択 20 :  ◯四十番(南部文宏君) 選択 21 :  ◯議長須崎かん君) 選択 22 :  ◯議長須崎かん君) 選択 23 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 24 :  ◯五十番(犬飼明佳君) 選択 25 :  ◯経済産業局長矢野剛史君) 選択 26 :  ◯福祉局長橋本礼子君) 選択 27 :  ◯保健医療局長吉田宏君) 選択 28 :  ◯建設局長(道浦真君) 選択 29 :  ◯知事大村秀章君) 選択 30 :  ◯五十番(犬飼明佳君) 選択 31 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 32 :  ◯六十二番(高桑敏直君) 選択 33 :  ◯経済産業局長矢野剛史君) 選択 34 :  ◯建築局長(成田清康君) 選択 35 :  ◯防災安全局長坂田一亮君) 選択 36 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 37 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 38 :  ◯三十一番(政木りか君) 選択 39 :  ◯教育長飯田靖君) 選択 40 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 41 :  ◯四十番(南部文宏君) 選択 42 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 43 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 44 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 45 :  ◯四番(朝日将貴君) 選択 46 :  ◯防災安全局長坂田一亮君) 選択 47 :  ◯四番(朝日将貴君) 選択 48 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 49 :  ◯一番(小木曽史人君) 選択 50 :  ◯福祉局長橋本礼子君) 選択 51 :  ◯一番(小木曽史人君) 選択 52 :  ◯四十一番(山田たかお君) 選択 53 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 54 :  ◯副議長(佐藤一志君) 選択 55 :  ◯議長須崎かん君) 選択 56 :  ◯五番(中村竜彦君) 選択 57 :  ◯政策企画局長(沼澤弘平君) 選択 58 :  ◯議長須崎かん君) 選択 59 :  ◯五十一番(市川英男君) 選択 60 :  ◯保健医療局長吉田宏君) 選択 61 :  ◯議長須崎かん君) 選択 62 :  ◯二番(廣田勉君) 選択 63 :  ◯総務局長(江口幸雄君) 選択 64 :  ◯二番(廣田勉君) 選択 65 :  ◯議長須崎かん君) 選択 66 :  ◯七番(日高章君) 選択 67 :  ◯環境局長(水野達也君) 選択 68 :  ◯議長須崎かん君) 選択 69 :  ◯三番(松本まもる君) 選択 70 :  ◯福祉局長橋本礼子君) 選択 71 :  ◯三番(松本まもる君) 選択 72 :  ◯議長須崎かん君) 選択 73 :  ◯九番(杉浦哲也君) 選択 74 :  ◯環境局長(水野達也君) 選択 75 :  ◯議長須崎かん君) 選択 76 :  ◯二十二番(村瀬正臣君) 選択 77 :  ◯防災安全局長坂田一亮君) 選択 78 :  ◯議長須崎かん君) 選択 79 :  ◯十七番(おおたけりえ君) 選択 80 :  ◯福祉局長橋本礼子君) 選択 81 :  ◯議長須崎かん君) 選択 82 :  ◯二十五番(佐藤英俊君) 選択 83 :  ◯県民文化局長伊藤正樹君) 選択 84 :  ◯四十一番(山田たかお君) 選択 85 :  ◯議長須崎かん君) 選択 86 :  ◯議長須崎かん君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時開議 ◯議長須崎かん君) ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問 2: ◯議長須崎かん君) これより一般質問を行います。  通告により質問を許可いたします。  田中泰彦議員。     〔二十六番田中泰彦君登壇〕(拍手) 3: ◯二十六番(田中泰彦君) おはようございます。  それでは、早速でありますが、通告に従い、大きく私からは二点、若年層をはじめとした投票率向上に向けた取組、学生をはじめとした性的マイノリティー当事者への対策をお伺いいたします。  まず、若年層をはじめとした投票率向上に向けた取組をお伺いします。  二〇二一年十月の衆議院議員総選挙以降、約一年半の間で大きな選挙が続いております。愛知県内で見ると、昨年七月には参議院議員通常選挙が行われました。そして、先月、二月五日に行われました愛知県知事選挙では、大村知事が見事四回目の御当選を果たされました。おめでとうございます。そして、三月三十一日には、統一地方選挙の前半戦として、愛知県議会議員一般選挙と名古屋市議会議員一般選挙の告示を迎え、四月九日の日曜日に投開票が行われます。  一般的に投票率は、候補者の顔ぶれや争点などによって左右されると言われております。しかし、国政選挙や地方選挙に共通して全体的に低下傾向が続いており、年代別の投票率を見ると、若い方の投票率が低くなっております。投票率の低さが顕著なのは、一般的に十代後半から二十代後半までを指す若年層と呼ばれる方々です。  総務省が公表している統計を見ますと、昨年七月の第二十六回参議院議員通常選挙では、全体の投票率五二・〇五%に対して、年代別投票率の抽出調査では、十八歳から十九歳が三五・四二%、二十代が三三・九九%、愛知県の状況を見ても、全体の投票率五二・一八%に対して、年代別投票率の抽出調査では、十八歳から十九歳が四一・〇五%、二十代が三六・五四%にとどまっております。  この傾向は、過去十年以上遡る国政・地方選に限らず同様の傾向で、七十五歳前後をピークに、二十歳前後の年齢までずっと投票率は下がり続けています。  過去の報道や参考文献により、日本社会の現状、伝えられる側、伝える側に分けて投票率に関する影響の要因を御紹介します。  日本社会の長期的な課題として、少子・高齢化が挙げられます。それが政治の場においては、有権者の高齢化率が増加し、その影響で高齢者層の政治的影響が高く出る、シルバーデモクラシーという現象があります。少数派である若年層や中年層の意見が政治に反映されにくく、また、負担も大きくなり、世代間の不公平や格差につながるといった弊害があり、その結果、若い世代になるほど意味がないと興味を示さなくなるようなことを指します。  次に、政治の分かりにくさと年代による影響力というものもあります。  そもそも複雑で政治を身近に感じないということが挙げられます。ある文献では、社会人として税金を払い、家庭を持ち、自分の子供たちの影響を考え、自分自身も地域社会においても役割を担っていくなど、社会に触れる機会が増えるほど社会、政治に関心を持って投票率に影響が出てくると言われています。これは、逆説的に考えると、特に学生や社会に出たばかりの若者であればあるほど政治が大きく影響を及ぼす社会との関わりが少ない立場にあるということにつながります。
     そんな影響もあって、若者が直面する雇用問題や貧困問題について、政治家や政府が対策を打っているようには感じないなどの御意見もありました。  次に、有権者へ伝える側の影響であります。  以前は、ほとんどの方に対して、特定の情報源といえば、例えば新聞、雑誌やテレビ、ラジオしかない環境がほとんどでした。しかし、インターネットの普及以降、個人単位での情報伝達の影響は人類史上初の大きな変化が起き、今ではスマホ一台で地球の裏側の情報でも一瞬で手に入る世の中になりました。  一方で、SNSをはじめとしたツールの使い方次第では偏った情報だけになりやすいというような側面もあります。  また、以下は私の所見でありますが、私が住む名古屋市のような都市部においては、本来の政治に求めるような側面が少なくなっているという影響も感じています。  私もこれまで議員として、県内・県外各地の視察を通じて様々な事情や現状を見せていただく機会をいただきました。名古屋生まれ、名古屋育ちの私、県会議員として感じてきたのは、名古屋は、ありがたいことにやはりとても成熟している。一方で、多くのほかの自治体の方が求めているような、例えばインフラ整備などの生活の基盤につながるようなことを求める比率は少なくなっているのではないか。結果的に、自分たちの生活に密着したワンイシューで支持を得やすく、本質に届きにくいのではないかというようなことを感じています。  当然、幾つもの要因が絡み合う選挙の結果でありますので一概には言えませんが、それでも一般生活に大きな影響を及ぼすのが政治であります。そして、その影響が色濃く反映するであろう未来を生きる若者の投票率が低下している、これは大きな課題ではないかと感じています。  ここで、未来を生きる若者の中でも、特に児童生徒、学生に焦点を当てたいと思います。  令和四年度文部科学省学校基本調査によると、日本における公立に通う児童生徒の割合は、小学生で九八・一%、中学生で九一・四%、高校生で六五・五%、また、愛知県においては、小学生で九九・三%、中学生で九四・六%、高校生で六六・二%が公立の学校に通っているというデータがあります。これらのことより、公教育の在り方が日本の若者の成長、育成に大きな影響を与えていると言えます。  その公教育には、国民主権に対する教育があります。国民主権とは、国の意思や政治の在り方を最終的に決定する権利が国民に属するということを指します。また、選挙は、私たち国民が政治に参加し、主権者としてその意思を政治に反映させることができる最も重要かつ基本的な機会であります。選挙で投票をするということは、社会課題を自分事として考え、その考えを表明するという行動であります。  しかし、先ほどのとおり、学生のうちは社会と接する機会が少なく、自分事として捉えにくいということがほとんどであります。そうであれば、少なくとも教育段階において、より多くの物事を自分事として感じ、それに対して行動を取れる主体的な人間でなければいけないと考えております。  そこでお伺いをいたします。  社会の課題を自分事として考え、主体性を持って行動する主権者の育成に関して、学校ではどのような取組を実施しているのか。また、発達段階により、その取組内容は異なると考えますが、小中学校、または高校、それぞれでの取組についてお伺いをいたします。  投票率向上のために若い方々にもっと投票していただける工夫も必要不可欠です。投票率を上げるための取組は、短期、中期、長期、それぞれで大きく三種類あると思います。  一点目、短期目線では、選挙が行われる直前や選挙期間中に選挙管理委員会や明るい選挙推進協議会のボランティアの方々が中心となって選挙が行われることを周知する、いわゆる選挙時啓発です。  選挙時の啓発でも、若い方々が興味を持つような選挙啓発を目にします。昨年七月の参議院議員選挙では、愛知県出身のアニメクリエーターが作成したアニメを用いて、投票の仕方や期日前投票の紹介など、動画も交えて啓発を実施したと聞いています。  二点目、中期目線では、投票環境の向上に向けた取組があります。  通勤や買物のついでに期日前投票ができるよう、駅前や大型商業施設などで期日前投票所を増設し、有権者の利便性を高める取組が行われています。また、選挙への関心を持っていただくために、投票済証に工夫をしたり、せんきょマルシェを開催したりといった取組なども含まれると思います。  三点目、長期的な目線で、若い方たちにどうしたら政治や選挙にもっと関心を持っていただけるのかという点です。  平成二十五年からは、インターネット等の普及に鑑み、選挙運動期間における候補者に関する情報の充実、有権者の政治参加の促進等を図るため、インターネット等を利用する方法による選挙運動が解禁され、選挙運動の方法も従来から変わってきております。また、選挙権年齢が二十歳以上から十八歳以上へ引き下げられたのが平成二十八年の参議院議員選挙からで、選挙権年齢を十八歳に引き下げた大きな目的は、若者たちの政治離れに歯止めをかけるということでした。  このとき、私は、自民党愛知県連青年部長として多くの現役の学生たちと一緒に活動をいたしました。いかに若い方たち、学生に関心を持ってもらうか試行錯誤したことを覚えています。  また、愛知県の知事の任期満了は二月十四日であり、受験シーズンと重なることから、四年前には、知事自ら全国知事会の場で、受験シーズンと重なる地方選挙の選挙日程の特例措置について要望をされておられます。愛知県議会でも、この件に関して、国に対して意見書を提出しております。このまま若年層の投票率低下が進むようであれば深刻な問題であり、議会としても国に対して取組を促していく必要があると考えております。  公益財団法人明るい選挙推進協会が、令和三年十月三十一日に執行された第四十九回衆議院議員総選挙について実施した全国意識調査において、政治や選挙に関する情報源について調査が行われております。情報源として、テレビが各年代で過半数を占めている中、十八歳から二十九歳の結果によりますと、情報源、インターネットは若い世代ほど高く、四一・九%となっております。また、有権者が、選挙に関し、インターネットをどのように利用したのかの調査では、若い世代ほどインターネットを通じた選挙運動に接しており、政党の候補者のツイッター、フェイスブック、インスタグラムを見たなどと回答した割合が高くなっております。  若年層の有権者が政治を自分のこととして捉え、自らが選挙権を行使すべきだと考える力を社会全体で育てていくということが必要であると考えています。  そこでお伺いいたします。  全国的に若年層の投票率が低い傾向が続いている中、さきの知事選挙では、若年層の投票率向上に向け、どのように取り組まれていたのか。また、今後どのようにされていくのか、県選挙管理委員会にお伺いいたします。  続いて、大きく二つ目の質問です。  学生をはじめとした性的マイノリティー当事者への対策をお伺いいたします。  まずは、この質問においての言葉の整理をしたいと思います。今回の発言通告では性的マイノリティーとし、私の過去の質問ではLGBTQと発言をしております。また、LGBTQ+やLGBTQIAなど、性的マイノリティーを指す言葉は複数存在します。これらは、現代社会において、LGBT、性的マイノリティーに対し多種多様な捉え方や価値観が生まれ、それらへの注目や対応が急速に求められていることが要因だと言われています。  しかし、最近の日本国内での報道や国で今議論がなされている法案関係でも、性的マイノリティーを指す言葉として、LGBTとされています。私の今回の質問の中においても、過去の議事録に関連する以外の部分は、性的マイノリティーもしくはLGBTとしたいと思います。  愛知県では、本年度、令和四年四月一日より、あらゆる人権に関する課題の解消を図るとともに、全ての人の人権が尊重される社会の実現に寄与することを目的として、愛知県人権尊重の社会づくり条例が施行されました。  これに際しては、当時、私たち自由民主党愛知県議員団においても、人権課題は今後も大きく取り組むべき社会課題として、石塚吾歩路座長を中心として、人権課題プロジェクトチームを発足。条例施行に関して多くの活動をしてまいりました。私も、プロジェクトチームの一員として参加をし、複数の人権課題に取り組む際、特にLGBT課題に取り組ませていただきました。  また、ちょうど一年前の二月議会、その場において、愛知県のLGBTQ対策の今後として、私自身、質問をさせていただきました。私の質問に対し、愛知県は、性的指向や性自認の多様性への配慮に関して全庁的な認識の共有化を図っていくこととして、性の多様性に関わる庁内連絡会議を設置していただくことになりました。  現代の国際社会においても、多様化、複雑化する課題に対し、愛知県は新たに条例施行という形で大きく動きを取ったことに対し、多くの関係者から喜びの声をいただいております。また、これまで県庁内でLGBTの課題を把握することはあっても、どのように対応していくのかという具体的な内容としては初めての試みとなる庁内連絡会議の設置に関しても、関係者の方々からは、LGBTに関する愛知県の最初の一歩となり、大変心強いという反響をいただいております。当時から現在に至るまで、条例施行、また、LGBT課題に対し御尽力をいただいた皆様に深く感謝をいたします。  しかし、条例もつくることが目的ではありません。これらの課題は、愛知県のみならず、国や世界における課題であり、条例ができたことにより、愛知県からも国や世界に対してよりよい取組を進めるべきと考えています。そのためには、条例を守り、それぞれの課題解決に向けてさらに推進することが必要であります。  しかし、まだまだ浸透しているとは言い難く、多くの県民の皆様に正しく知っていただくためにも、条例を制定した愛知県はもとより、我々議会側もその重みをしっかり理解することが必要であると考えます。  まずは、LGBT課題で話題に上がりやすい同性婚に関わる国際的な状況をお伝えします。  カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、アメリカ、そして、日本も含まれる先進七か国、G7。この中で同性婚が認められていないのは日本のみとなります。  先進国という言葉に対して明確な定義はないものの、高度な工業化や経済発展を達成し、工業力や科学技術力で他国より先行しており、生活、健康、教育、インフラ整備、そして人権保障などの水準が高く、政治的に自由で安定している国家のことと表記されることがあります。  また、本年五月開催のG7広島サミットの影響か、海外のマスコミからは、同性婚が認められていない日本に対して、先進七か国、G7の中で唯一同性婚を認めていない、いまだ偏見が根強い、日本は伝統的な男女の役割などの価値観に縛られているなどの報道もされております。  また、最近の国内では、本年二月二十日の産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が行った合同世論調査で、LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案について尋ねたところ、慎重論が根強い自民党の支持層でも五七・二%が国会で成立させるべきだと答え、同性婚を法律で認めることに自民支持層の六〇・三%が賛成と回答、年代別では、高齢層よりも若年層が、また、性別では男性より女性のほうが同法案の成立や同性婚の法制化を積極的に認める傾向が強く出たとの報道がありました。  ここで、前回の質問以降、私が独自で調査した具体的な事例を三例御紹介したいと思います。  一例目、トランスジェンダー男性。体と戸籍は女性だけれども、心が男のAさんという方です。  幼少期より育成段階で周りとの違和感を感じてみえたそうです。そのきっかけは、特に学校という組織においての違和感からだったようです。最近では、学校の制服を選択できるなど、様々な対応が出てきてはいるものの、当時は今よりも校則やその周りの影響が大きく、厳しく、自分が感じる心のもやもやがうまく理解できなかったそうです。そのもやもやとは、自分が抱えている心の問題は周りには言ってはいけないことだと感じていたとおっしゃってみえ、ずっと心に負担を感じていたそうです。  そのAさんは、あるタイミングで母親に相談、しかし、母親は、実の子供であるAさんに対して人格を否定するような辛辣な言葉を突きつけ、親子関係は崩れたそうです。その後、Aさんは、生活をする中で別の御親族にもカミングアウトする機会が訪れたそうですが、その際にも一方的に否定をされたようです。しかし、そのときに、Aさんの母親は、私の子供であることには何も変わらない、あなたたちにそんなことを言われたくないと言い、現在では何でも話し合える関係に戻れたそうです。しかし、その母親との関係が崩れてしまった期間は約十年間、そして、Aさんは今でも、母親も十年間つらかったはず、その母親は誰が支えていたのかと考えられるそうです。  二例目です。レズビアンであるBさんの場合。  中学、高校時代に、いわゆる成長段階における多感な時期での苦悩が多かったようです。学生時代、友人との人間関係や、もしかしたらという思いもあり、男性とお付き合いをされていたそうです。しかし、やはり無理をしてお付き合いすることはできなく、心の悩みは大きくなるばかり。その後、高校に進学した際、授業の中でLGBTを取り上げた先生がいたそうで、その授業があっただけで、私は間違っていなかったんだ、同様の人がいるんだと感じて、それだけのことで心が一気に軽くなったそうです。これは、逆に捉えると、異性愛者なら当たり前に感じられることがなかったということであります。たった一つの授業、たった一つのきっかけで人間は大きく前向きになれるという事例です。  三例目、トランスジェンダー女性。体と戸籍は男性で、心が女性のCさんの例です。  この方は、現在、現役の県立の学校の教員の先生であります。採用時は、心が女性であることを隠し続け、自分の個性が出せない教育が生徒たちに対して悪い影響が出るのではないかと悩まれていたそうです。しかし、ある時期にカミングアウト。ただ、生徒思いのCさんは、カミングアウトすることも生徒たちにどのような影響があるのか、それはもちろん心配をされていたそうです。しかし、当の生徒たちの声は、だから何なの、先生は先生じゃんと、子供たちのほうが一人の個人やただの個性として捉え、よりよい関係構築につながったそうです。  これらの事例からも分かるように、当事者であれば、学生や幼少期ほど自分を取り巻く社会環境の影響が大きくのしかかり、そのため、自ら言えない環境や自分自身も気づきにくい環境があり、それらの悩みに対して、自ら強くあり続けることや解決することも大変難しい時期です。  また、三つ目の事例のように、若年層だからこそ、現在自分が持っている以外の価値観に対しても柔軟で偏見を持ちにくく成長できる時期と言えるのではないでしょうか。  ここにいるほぼ全ての人が幼少期から学生の頃に受けた影響によって現在の人格形成に大きく影響を及ぼしているのは紛れもない事実です。その時期に長い時間を過ごす学校教育の現場はとても重要であると考えます。  そこでお伺いをいたします。  愛知県人権尊重の社会づくり条例では、第十五条で、県は、性的指向及び性自認の多様性についての県民及び事業者の理解を深めるために必要な教育、啓発その他の施策を講じるものとするとあります。条例を踏まえ、学校現場では、LGBTについてどのような教育、啓発を行ったのか。  また、LGBTの若者は、自分の悩みを言えなかったり、自身の性自認が明確ではないことを漠然と悩んでいたりする場合が多いようです。悩みを言えない要因として、学校の校則や、校則は守らなければいけないという学校の雰囲気を挙げている事例もあります。  学校現場では、生徒が自分の悩みを相談しやすい雰囲気づくりとして、どのようなことに取り組んでいるのか。また、自分の悩みを言えずに悩んでいる児童生徒やカミングアウトした児童生徒にどのような配慮がなされているのかをお伺いいたします。  また、県として、LGBTの若者に向けた今後の取組について、どのように進めていくのかをお伺いいたします。  以上、壇上からの質問となります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 4: ◯教育長飯田靖君) 初めに、若年層をはじめとした投票率向上に向けた取組のお尋ねのうち、学校における主権者の育成に関する取組についてお答えをいたします。  二〇二二年四月から成年年齢が満十八歳に引き下げられ、以前よりも学校における主権者教育の重要性が増しております。主権者教育を進めるに当たりましては、知識の習得にとどまらず、子供たちが社会や地域の課題解決を主体的に担おうとする姿勢を身につけることが重要でございます。  義務教育の段階では、子供たち一人一人に、自分には社会を変える力があると認識ができるような経験を積ませ、自分から行動しようとする姿勢を養うために、例えば小学校では、総合的な学習の時間に防災について学んだ後に、地域の防災に関する自分の考えを新聞に投書することや、中学校では、各学校の代表生徒が市町村の議場で行われる子供議会に参加をし、まちづくりについて、学校で話し合ってきた内容を発表し合うことなどの取組が行われております。  高等学校では、義務教育段階の学びを土台として、成年である十八歳に達した後に、投票などによる政治参加を促すため実践的な学びを行っております。例えば、今年度から、高校二年生までに全員が学習をすることとなりました新科目の公共では、生徒同士が過去に実施をされました地方議会選挙における各立候補者の公約を分析し、実現可能性を議論するなどの取組が行われております。  今後も、こうした主権者教育を通じまして、児童生徒が政治や地域社会の課題を自分事として捉え、主体性を持って行動する力を育んでまいります。  次に、学生をはじめとした性的マイノリティー当事者への対策のお尋ねのうち、学校におけるLGBTについての教育、啓発についてお答えをいたします。  二〇二一年二月に策定をいたしました、あいちの教育ビジョン二〇二五では、人権教育・多様性理解の推進を取組の柱としておりまして、性的指向、性自認に関する人権問題について、正しい理解と認識を深める教育、啓発を進めるとしております。  これを踏まえまして、各学校におきましては、今日的な重要課題の一つとして、人権教育の中でLGBTを取り扱っております。  具体的には、多くの小学校で、黒や赤といった色から連想される性別について話し合った後に、自分たちが抱いている男らしさ、女らしさについて考える授業を行い、多様性を認めることの大切さを学んでおります。  また、中学校や高等学校では、LGBTの当事者の方から、性の在り方は様々であることや、当事者にしか分からない悩みや葛藤についての話を聞く講演会を開催しております。  こうした取組を広げていくために、実践の成果を冊子の形にまとめまして、全校に配付をしております。  今後も、学校現場におきまして、LGBTについて適切な教育及び啓発ができるよう取り組んでまいります。  最後になりますけれども、LGBTの児童生徒が自分の悩みを相談しやすい雰囲気づくりと、自分の悩みを言えずに悩んでいる児童生徒やカミングアウトをした児童生徒への配慮についてお答えをいたします。  相談しやすい雰囲気づくりにつきましては、何よりも教職員と児童生徒の間の信頼関係の構築が大切でございます。こうした関係を築くために、教職員には日頃から児童生徒の意見に対して、自分の意見を押しつけず、耳を傾けるとともに、何かあれば相談に乗るよというメッセージを積極的に発信する必要があることを研修などの機会に指導しております。  また、学校がLGBTの児童生徒の思いを受け入れる準備があるということを示すメッセージとして、校内の環境整備も進めております。  例えば、校内に啓発ポスターを貼ったり、保健室にLGBTに関する本を置いたりする学校や、服装や髪型に関する規定から男女の区別をなくしたり、名簿を男女混合にしたりする学校が増えております。  こうした取組は、自分の悩みを言えずに悩んでいる児童生徒の不安感や孤独感を軽減する配慮にもなっております。  また、カミングアウトをした児童生徒につきましては、本人の気持ちや希望を丁寧に聞き、トイレや更衣室の使用について個別に対応するなどの配慮をしております。さらに、こうした児童生徒につきましては、スクールカウンセラーなどを加えて組織的に対応をしております。  今後も、LGBTが一つの個性として認められるような学校の雰囲気づくりや相談しやすい環境づくりを進めてまいります。 5: ◯選挙管理委員長加藤茂君) 初めに、さきの知事選挙における若年層の投票率向上に向けた取組についてであります。  議員御指摘のとおり、昨年七月の参議院選挙における若年層の投票率は、全国同様、愛知県でも低くなっており、県選挙管理委員会としても大変危機感を持っておりました。そこで、今回の知事選挙では、若年層をターゲットとした様々な啓発に取り組んだところであります。  具体的には、若年層が多く利用しているSNSやインターネットなどを積極的に活用し、投票を促しました。また、高校生や大学生に自ら選挙啓発イベントに参加して同世代の立場から選挙への関心を高めていただくための取組や呼びかけを行っていただきました。  さらに、期日前投票所は、前回の知事選挙に比べ利便性の高い商業施設十六か所を増やし、百六十四か所としまして、若年層にも投票しやすい環境といたしました。  次に、今後の取組でございます。  県選挙管理委員会では、若年層の選挙に関する関心を高め、投票率の向上につなげるため、市町村選挙管理委員会と協力し、職員が高校、小中学校等に出向きまして、選挙制度の説明や模擬投票などを行う選挙出前トークを、二〇〇五年度、十九校でスタートし、二〇二一年度には百四十七校にまで拡大しております。  また、二〇一一年度からは、県内大学と連携しまして、投票参加を促進するための研究成果発表会等を講義やゼミ等を活用して実施しており、二〇二一年度は五校で実施しました。  県選挙管理委員会といたしましては、市町村選挙管理委員会と連携しながら、これらの取組の一層の拡大、充実を図ることにより、若年層の選挙に関する意識や投票率の向上につなげてまいります。 6: ◯県民文化局長伊藤正樹君) 愛知県のLGBTの若者に向けた今後の取組についてお答えします。  本県では、昨年四月一日に施行した愛知県人権尊重の社会づくり条例に性的指向及び性自認の多様性についての理解の増進等を個別に規定して、あらゆる世代に向けた取組を進めているところでございます。  こうした中、LGBT、いわゆる性的少数者の方々には、自らの性的指向や性自認に対する無理解や偏見、社会生活上の制約など、様々な困難があり、特に若者の中には、そうした困難を保護者にも相談できず、生きづらさを抱えている方も少なくないと認識をしております。  そこで、県といたしましては、来年度、新たに性的少数者の若者を支援するための取組を進めてまいりたいと考えております。  具体的には、相談対応者・指導者向けガイドブックを作成し、性的少数者の若者からの相談に対して、保護者や相談担当者等が適切に対応できるよう支援をいたします。  また、当事者だけでなく、全ての若者を対象とした若者向け啓発資料を作成して、性の多様性に関する基礎知識や相談先、求められる配慮などについて、さらなる理解増進を図ってまいります。  加えて、これらのガイドブックや啓発資料を広く活用していただけるよう、性的少数者の若者に対する理解増進や相談対応をテーマとしたセミナーも開催してまいります。  こうした取組を進めることにより、性的指向及び性自認の多様性についての理解の増進等を図り、全ての人の人権が尊重される社会の実現に向けて取り組んでまいります。 7: ◯二十六番(田中泰彦君) 質問項目二点をまとめた形で要望をさせていただきたいと思います。  若年層の投票率向上に関しては、学生たちと私自身が共に活動を通じて感じたこととして、若年層が最初から興味をなくしているわけではなく、自分たちの未来に対して真剣に考えているということを感じました。  興味を持てるような世の中にしていくことは、今の大人の責任であると感じています。今の状況を放置すると、興味がなくなる、投票率はまた下がる、意見がまた偏る、偏った状態での対応、そして、また興味がなくなるという可能性が高まるのではないかなと感じています。  その中で、行政の在り方、選挙のやり方もいろいろと検討をしなければいけない大変難しい時代だというふうに感じています。  また、LGBTQに関して、先ほどは触れなかった自殺率や自殺念慮、自殺を考えたことがあるなどの率について触れたいと思います。  二〇一九年に行われた厚生労働省の調査によると、LGBの自殺念慮は、男性が約三倍、女性が約二倍というデータがあり、トランスジェンダーにおいては、その数値はさらに高くなります。また、NPO法人リビット──ReBitと書きますが──が昨年九月に実施したLGBTQ子ども・若者調査二〇二二にも、十代のLGBTは、過去一年に四八・一%が自殺念慮、一四%が自殺未遂、三八・一%が自傷行為を経験したとの回答があります。これは、日本財団第四回自殺意識調査二〇二一と比較すると、十代のLGBTの自殺念慮は三・八倍、自殺未遂経験は四・一倍という高い状況にあります。  壇上でも述べたように、学生の時期や若い時期には、周囲の環境の影響でこれらの傾向が強くなるようです。
     現代社会において、価値観はかなり多様化しており、多くの考え方や価値観を理解しなければいけないのかもしれません。全てを網羅することはもちろん不可能であるとは思いますが、顕在化しにくい若年層や多くのマイノリティーに対してより多く寄り添うことができる、そんな愛知県が今後もさらに進むような期待をして、質問を終わりたいと思います。 8: ◯議長須崎かん君) 進行いたします。  杉浦哲也議員。     〔九番杉浦哲也君登壇〕(拍手) 9: ◯九番(杉浦哲也君) 碧南市選出、自民党の杉浦哲也です。  発言のお許しをいただきましたので、通告に基づきまして、二項目について質問をさせていただきます。  まず初めに、少子化対策についてお伺いをいたします。  昨年の十一月九日から十一月十日の日程で、我が党の杉江議員と共に、東京で開かれた第二十二回都道府県議会議員研究交流大会に参加をさせていただきました。  初日の基調講演では、人口減少問題を中心に、全世代型社会保障について、内閣官房参与(社会保障・人口問題担当)兼全世代型社会保障構築本部事務局総括事務局長の山崎史郎氏の御講演を拝聴させていただきました。また、少子化対策の成功事例として、愛媛県が取り組んでいる、ライフステージに応じた切れ目のない子ども・子育て支援施策の展開とその成果についてのお話もお伺いをさせていただきました。  基調講演の講師を務められた山崎史郎氏は、一九七八年に東京大学法学部を卒業後、同年、厚生労働省に入省され、厚労省の官僚として老人保健制度の改正、薬価の包括払い制度の導入や、二〇〇〇年に創設された介護保険制度の成立、実施、改正全てに携わったことから、ミスター介護保険と呼ばれ、社会保障のプロと言われている方であります。  この交流大会で基調講演などのお話をお聞きし、少子化が物すごいスピードで進行していることを改めて実感させられました。  そもそも少子化とはどのような状態を指すのか、人口学において、少子化は、合計特殊出生率が人口置換水準を相当期間下回っている状況と定義されています。  現在の日本の人口置換水準は約二・〇八とされており、一九七四年に合計特殊出生率が二・〇八を割り込んで以降、おおむね低下を続けており、少子化の定義に当てはまるという状態にあります。  また、二〇二一年の出生数は八十一万千六百四人で、合計特殊出生率は一・三〇、出生数の過去最低記録を記録し、合計特殊出生率も六年連続で低下しており、一九四九年のピーク時、出生数約二百七十万人、合計特殊出生率四・三二と比べますと、三分の一以下の水準となっています。  こうした中、二〇二〇年五月、政府は新たな少子化社会対策大綱を閣議決定し、ライフステージに応じた総合的な少子化対策を大胆に進めると掲げました。そして、今年四月には、出産や育児に関する支援の一元化を目的に、こども家庭庁を発足し、子供政策の大綱の作成、子供の個々の家庭状況の調査や支援内容のデータベースの集約、虐待やヤングケアラー、養育が困難な家庭への支援などを行い、こどもまんなか社会の実現を目指すとされています。  少子化対策の強化をと、そう唱えられ続けて三十年以上がたちますが、しかし、実際には歯止めがかからず、先ほども申し上げたように、二〇二一年には日本の出生数は約八十一万人と過去最低を記録し、昨年の出生数は国の統計開始以来初めて八十万人を下回り、想定より十年以上も早く少子化が進んでいるという危機的な状況になっており、少子化対策は、我が国にとって喫緊の重要課題となっています。  このまま、少子化と同時進行する高齢化、人口減少が続けば、縮小スパイラルに陥り、我が国の衰退は避けられません。年金や医療、介護などの社会保障は、現役世代が上を支える仕組みになっており、人口構造が逆ピラミッドになると制度の維持自体が徐々に困難になります。働き手が少なくなれば、人手不足はさらに深刻化し、一方で消費活動も縮小するので、日本経済は停滞の道を歩むことになり、既に始まっている地方消滅の危機にも拍車がかかるとも言われております。  また、人口推計のデータなどから、二一〇〇年には、人口はおよそ六千万人となり、四割近くが高齢者、労働時間は増える一方で、収入は減り、政府は残された財源を老人の健康や医療ニーズに振り向け、多くの教育機関は運営できなくなる事態にもなりかねないと有識者は指摘をしています。  このような状況下でも、欧米諸国など各国と比べ、子育てや教育にかけられている公的予算が少ないとされている日本ですが、岸田首相は、今年の年頭会見で、未来への投資とうたう異次元の少子化対策に挑戦すると述べられ、現在の国の少子化関連予算約六兆一千億円を将来的に倍増すると表明されました。  では、なぜこれまで少子化対策が進まなかったのか。その要因としては、これまで、子育ての問題は、男性や企業などが自分の問題と認識せず、大きな政治課題とならなかったこと。また、高齢化が進む中、中高年層と比べ、子育て世代は数としてもマイノリティーになっていたことなどが挙げられます。  少子化への危機感が社会で共有されず、時間が経過する中で、日本は、各国と比べ、子育てや教育関係の公的予算が増えてきませんでした。  OECD(経済協力開発機構)によると、子育て支援などに充てられる日本の家族関係社会支出は、二〇一九年時点でGDP比一・七%となっており、子育て支援が充実し出生率も高いスウェーデンの三・四%のちょうど半分、フランスやドイツなどのヨーロッパ諸国と比べても大変低い水準となっています。  現在、政府は、子育てに係る経済負担を軽減しようと、妊娠と出産時に合わせて十万円相当の経済的支援をする出産・子育て応援交付金の制度創設を打ち出し、出産にかかる費用そのものを支援する出産育児一時金も引き上げる方向であります。  しかし、SNS上などでは、こうした一時的な金銭給付で本当に子供は増えるのか、疑問の声も多く、これまでパッチワークやばんそうこうを貼るようで、構造的、体系的に子育て支援をやってこなかったという指摘は根強く残っているようです。  ただ、今回は、十万円だけでなく、母親が孤立しないために、妊娠期から子育て期まで寄り添い、相談事業を含めた継続的な支援を行うことが総合経済対策に盛り込まれており、非常に期待をされているところであります。そして、今回の一歩を足がかりに、具体策を一つ一つ着実に積み上げ、結果として、体系的、構造的に子供が増える環境を築いていけば、少子化の解消につながっていく道筋も見えてきます。  次の段階では、もっと多くの人が育児休業給付金を受け取れるようにしたり、専業主婦も子供を預かってもらえる場所を増やしたりといった対策を講じ、さらには教育費の問題や、長時間労働や残業がない社会にしていくなど様々な問題はありますが、今回はそのための第一歩と言える取組だと言えます。  ただ、今後、財源確保をどうしていくのかという問題があり、鍵になりそうなのが、幅広い層での負担の分かち合いで、世代間の負担の見直しにあります。  現在、国の全世代型社会保障構築会議では、医療保険制度について、負担能力のある高齢者により多くの負担を求め、子供予算倍増の財源にすべきだという声や、子供を持たない人や企業など、社会全体に税や社会保険を通じた負担を求めていくべきだとの考えもあるようです。  ただ、子育て支援は大事だが、自分に負担が降りかかってくるのは避けたいという本音もあり、まさに総論賛成、各論反対。いつの時代も、新たな負担が生じるような話は世代や立場で対立が起きやすく、調整は簡単ではありません。  しかし、高齢者も、子供がいない人も、年金や医療、介護では子育て層から保険料や税という形でお金をサポートしてもらっています。しかも、それは自分の子供ではない人からも社会的に扶養されており、少子化は子育てしている人たちだけの問題ではないことを社会全体が認識する必要があると思います。  社会的な支え合いを維持しようと思えば、やはり世代、立場の人に受益者としての責任があり、生きている人のための福祉をどうするかということに加え、将来世代のためにも、やはり安定した財源を確保する必要があります。  子供予算倍増の機運が高まり、再び動き始めた少子化対策は、中長期的には子供がいない人にも恩恵を受けるということを社会全体が共有し、理解をしていくことが大変重要であると考えます。  こうした中、本県では、平成十九年三月、愛知県少子化対策推進条例が制定されました。その中で、今日、結婚や出産に対する個人の考え方の変化や、経済的に不安定な若者の増加による未婚化や晩婚化の進展、子育てへの負担や不安から急速に少子化が進行し、人口構造にひずみを生じさせ、ひいては人口が減少するという事態に直面をしている。  このような状況は、社会の存立基盤を揺るがす問題となっており、経済や地域社会の活力の低下を招き、子供が自主性や社会性を身につける機会を減少させるなど、深刻な影響をもたらすおそれがあり、急速な少子化の進行に対し、結婚、出産、子育てに対する負担や不安を取り除き、強い決意の下に少子化の流れに歯止めをかけていく必要があるとしています。  また、あいちビジョン二〇三〇の二〇二一─二〇二三実施計画の中では、出会いから結婚までの支援、安心・安全な妊娠・出産支援、地域の子育て支援力の向上について、三か年の取組方向が具体的に示されているところであります。  本県の直近の人口動向を見ると、総人口は、二〇二二年、七百四十九万七千人余で、自然減、社会減合わせて二年連続で減少となっており、合計特殊出生率は、前年、全国で二十位の一・四四から二十三位の一・四一と低下しています。また、二十代女性の東京圏への転出超過数も年々増加をしており、大変懸念するところでもあります。  このように、本県においても、人口減少問題が深刻化する中、少子化対策は待ったなしの重要課題であり、その取組をさらに加速させていく必要があると考えます。  少子化対策として、出生率向上に向けては、出生率低下の構造と要因を理解し、方策を考えなければいけません。  各国の出生率の違いは、二十五歳から三十五歳の若年層の生活実態が主な要因とされており、一九七五年以降、女性就労の進展に伴い、出生率が低下し続けた日本と、回復、維持をしたスウェーデンなどのヨーロッパ諸国との違いは何だったのかを考える必要があります。  その上で、出生率向上のためには、四つのポイントがあると言われています。  一つ目は、結婚をしたいが出会いの機会に恵まれない方に対する結婚支援、二つ目は、出産を希望しているが妊娠に結びつかない方に対する不妊治療の支援、三つ目は、経済的な理由から第二子、第三子を持つことに不安を持つ方への育児負担の軽減、四つ目は、共働き世帯が増加する中で、女性が仕事か出産、子育てか、二者択一の傾向が高くなっているこの現状を打破するための仕事と子育ての両立支援で、これらに対しては、それぞれ早急に対策を講じていかなければなりません。  育児負担の軽減と仕事、子育ての両立支援については、国の施策が大変大きな転換期を迎えており、その動向を注視するとともに、ワーク・ライフ・バランスの推進に取り組み、中小企業などの事業者さんに少子化や育児、子育てに対する理解を一層深めていただけるような取組、働きかけをさらに進めていただきたいと思います。  そして、残る結婚支援と不妊治療の支援については、先日の知事選の際にいただいた、あいち重点政策ファイル360プラス1の中で、結婚支援事業の積極的展開、不妊に悩む夫婦に対する支援と明記されており、今後、一歩踏み込んだ積極的な取組が必要であると思います。  そこでお伺いをいたします。  まず、結婚支援についてであります。  現在、本県が運営する、あいち出会いサポートポータルサイト、あいこんナビで、市町村や民間事業者が主体となって実施する婚活イベント等の紹介をしておりますが、県内自治体の中には、積極的に婚活事業をやっているところ、そうでないところもあり、地域的な偏りがあるようです。  少子化対策の入り口部分である結婚支援を市町村と共に県全体で取り組む必要があると考えますが、県として、今後、どのように考え、取り組んでいくのかをお伺いいたします。  もう一点は、不妊治療についてです。  昨年四月から始まった治療費の保険適用により、これまで高額な治療費に二の足を踏んでいた方々から不妊治療を受けやすくなったと喜びの声も聞かれ、経済的負担の軽減策は一歩前進したと思います。  ただ、不妊に悩む方は、治療の身体的な負担に加え、精神面での負担も大変大きいところであります。治療などの不安に加え、周囲の人から理解を得られず、精神的に追い込まれ傷つくことや、流産など、つらく悲しい体験をして子供を諦めてしまう方も少なくありません。  こうした不妊などによる不安を抱える方への精神的なサポートについて、県としてどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。  次に、二項目めの質問として、水産資源を増やすための栽培漁業の推進についてお伺いをいたします。  三河湾は、古くから魚介類の宝庫と知られ、豊かな海の恵みを享受してきました。現在でも本県は、総生産量こそ全国中位ですが、多くの魚種において全国有数の産地となっており、沿岸域を中心に特色ある水産業が営まれているところであります。そして、多種多様な水産物を供給する本県の水産業は、豊かで健康的な日本型食生活の構築や食文化の継承など、県民の皆様の暮らしに重要な役割を果たしています。  しかし、水産業を取り巻く環境は年々厳しさを増しており、漁場環境の変化に伴う水産資源の減少や、沿岸の各種開発に伴う漁場の喪失、就業者の高齢化や後継者不足などの諸問題に加え、近年では、海域の栄養塩類の減少による漁業生産力の低下や、新型コロナウイルス感染症、ロシアのウクライナ侵攻による燃油や資材などの高騰など、新たな課題に直面をしており、漁業関係者を大変苦しめている状況であります。  私の地元碧南市の大浜漁港の漁師さんたちも例外ではありません。大変苦労をしております。  私の地元大浜漁港は、昔から船引き網漁業や底引き網漁業が営まれており、シラスやイワシのほか、タイやエビ、スズキ、カレイなど、いろいろな種類の魚介類が水揚げをされています。  碧南市は、ふるさと納税の返礼品としても大変人気のあるシラスが特産品で、いわゆるちりめんじゃこを作る加工業者も多く、大漁のときには天日干しをする風景が広がっております。しかし、昨年は漁獲量が過去十年平均の五割くらいと不漁だったそうです。  県の水産試験場の資料によると、昨年のシラスの不漁は黒潮の流れの影響が大きかったとのことですが、ほかにも、漁業者の皆さんからは、近年、多くの種類の魚や貝が昔より取れなくなってきたと聞いているところであります。  農林水産省の統計によれば、二〇二一年の愛知県全体の海面漁業の漁獲量は約五万三千トンで、十年前の約七割に減少をしています。  漁業は自然が相手であり、水産資源は環境の影響を受けやすいため、漁獲量は増えることも減ることもあるとは思いますが、特に近年は、温暖化や海の栄養不足などの様々な環境要因が水産資源の減少につながっているのではないかと考えられています。  このような状況において、県では、水産資源の増大を図るため、多くの魚介類の生育場となる干潟、浅場の造成面積を倍に増やしたり、渥美外海で魚のすみかとなる漁礁の数を増やしたり、さらには、窒素やリンなど海の栄養塩を増やすなど、様々な取組を行っているところであります。  こうした取組の成果を大いに期待するところでありますが、私はその中でも、魚や貝の子供を放流する栽培漁業の取組が今後大変重要であると考えています。  栽培漁業とは、魚介類が卵から稚魚になるまでの外敵から身を守ることができない弱い時期を人の手で守り育ててから放流して、自然の海で成長させ、水産資源を増やそうという取組であります。  県では、放流用の種苗を生産する施設として、田原市に栽培漁業センターを一九七八年に開設し、栽培漁業に取り組んできました。県のホームページによると、現在は、県の魚であるクルマエビを二千二百万匹、クルマエビの仲間で大変うまみが強くおいしいエビであるヨシエビを五百六十万匹、ワタリガニと呼ばれるガザミを百八十三万匹、冬の味覚の王様であるトラフグを十八万匹など、七魚種の種苗を生産しています。  漁業者は、これらの種苗を自らの手で放流して、水産資源の維持、増大に努力をしており、私の地元大浜漁協においても、ヨシエビの放流に熱心に取り組んでいるところであります。漁業者は、放流の効果を実感しており、これからの栽培漁業への期待は非常に大きなものとなっているところであります。  海の環境が刻々と変化している今日、水産資源の増大を実現するためには、栽培漁業をより一層充実させていくことが必要であると考えます。  そこで、県では、水産資源を増やす取組である栽培漁業を今後どのように進めていかれるのかお伺いをいたします。  以上、二項目について質問をさせていただきました。当局におかれましては、丁寧かつ明快な御答弁をお願い申し上げ、壇上からの私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 10: ◯福祉局長橋本礼子君) 少子化対策の御質問のうち、結婚支援についてお答えいたします。  本県では、結婚を希望する若者の出会いをサポートするポータルサイト、あいこんナビを開設し、婚活イベントなどを企画、主催する団体を出会い応援団、従業員の結婚支援に積極的な企業等を婚活協力団体として登録いただき、イベント等の情報提供を行っております。  現在、出会い応援団に九十五団体、婚活協力団体に百二十一団体の登録をいただいており、今年度はこれまで二百二十件のイベントを紹介し、二千二百人余の参加を得ております。このうち、市町村が主催のイベントは五市十七件で、海を望むカフェやホテルの最上階のプライベートフロアで、参加される方の会話が弾むよう創意工夫を凝らして実施されております。  民間事業者主催のイベントは大都市部に偏りがちでありますので、市町村がそれぞれ身近な地域でイベントを開催することは、結婚を希望する方に出会いの機会を提供するために有用な取組であると考えております。  そのため、県といたしましては、今後とも、より多くの市町村での実施を促すよう、会議等を通じて先進的な取組を紹介するなど、引き続き市町村と連携を図りながら結婚支援の充実に取り組んでまいります。 11: ◯保健医療局長吉田宏君) 不妊治療における精神的サポートについてお答えいたします。  不妊で悩んでいる方の抱える問題は多岐にわたり、治療期間も長期になるなど、その精神的負担は大変大きく、こうした方々への支援は大変重要でございます。  県では、二〇〇三年度から医師やカウンセラーなど専門スタッフによる相談センターを開設いたしまして、電話やメール、面談を通じて、不妊で悩む方の精神的負担の軽減を図っております。  また、二〇一二年度には、流産を繰り返す不育症の相談にも対応し、さらに今年度から、死産など深い悲しみを負った方に寄り添い、悲しみからの回復を支援するグリーフケアや、当事者同士が互いに語り合い寄り添うピアサポートを実施し、不妊などで悩む方々の支援の充実を図っているところでございます。  県では、今後もこれらの活動を通じまして、子供を望む方お一人お一人に寄り添ったきめ細やかな支援が行き渡るよう、引き続きしっかり取り組んでまいります。 12: ◯農業水産局長矢野浩二君) 栽培漁業の推進についてお答えをいたします。  栽培漁業は、水産資源の増大に重要な役割を果たしており、本県はクルマエビの放流用種苗を全国で最も多く生産するなど、栽培漁業に力を入れております。放流を行っているクルマエビやガザミの漁獲量は全国一位、トラフグも全国上位を維持しており、国内有数の産地となっております。  県では、将来に向けた水産業の持続的な発展のため、二〇二一年三月に愛知県漁業振興計画を策定し、豊かな水産資源を育む海づくりの一つとして、栽培漁業を強化することとしております。  具体的には、将来にわたり栽培漁業に安定して取り組めるよう、今年度から、栽培漁業センターの長寿命化のための工事を進めるとともに、クルマエビやガザミに加え、碧南市の漁協などからも要望があったヨシエビの生産数量を増やしております。  さらに、栽培漁業センター内に新たな魚種の生産施設を建設するため、来年度は実施設計を行い、二〇二五年度の竣工とともに、漁業者からの要望が強いハマグリや高級なすしネタとして知られるミルクイの二種類の貝類などの生産を開始することとしております。  今後も、漁業者のニーズを踏まえ、栽培漁業を強化し、水産資源の増大にしっかりと取り組んでまいります。 13: ◯知事大村秀章君) 杉浦哲也議員の質問のうち、結婚支援について、私からもお答えをいたします。  本県の二〇二一年中の婚姻件数は三万三千五百九組で、前年三万五千三百九十組、前々年の三万九千九百三十三組に比べ、二年連続で減少をいたしております。これは全国同様の傾向でありまして、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛や飲食店の時短営業等の影響により、若者の出会いの場、機会が損なわれた結果ではないかと大変危惧をいたしております。  結婚は個人の考え方や価値観に関わる問題でありますが、パートナーを見つけ、家庭を築きたいと願う人がその希望をかなえられる環境づくりが求められております。  このため、本県では、出会いサポートポータルサイト、あいこんナビを運営するほか、市町村の結婚支援策への助成を行ってまいりましたが、来年度はもう一歩踏み込んだ取組として、県主催の婚活イベントを開催いたします。  具体的には、今年の十月に愛・地球博記念公園で、県内各地から、かつてない規模となる四百人の独身男女に集まってもらいまして、ジブリパークの雰囲気を味わっていただきながら、出会い、交流していただく機会を提供することといたしました。  今後とも、市町村や民間事業者と連携、協力しながら、結婚を希望する人がより豊かな人生を送ることができるよう、取組を拡充するなどして、日本一暮らしやすい愛知づくりを進めてまいります。 14: ◯議長須崎かん君) 進行いたします。  鈴木純議員。     〔七十五番鈴木純君登壇〕(拍手) 15: ◯七十五番(鈴木純君) 稲沢市選出、鈴木純でございます。  議長のお許しをいただきましたので、発言通告に従い、順次質問させていただきます。  最初に、あいち県民の日、あいちウィークについて順次お尋ねします。  昨年の十一月二十七日の県政百五十周年をお祝いする式典は、県政百五十周年記念映像、県政百五十周年の歩みを振り返るの上映や、佐々木新平さん指揮による名古屋フィルハーモニー交響楽団の演奏など、百五十周年をお祝いするのにふさわしい華やかなものでありました。  特に名フィルの演奏は、本県が誕生した一八七二年にちなんだ選曲や、アンコールに応えたとなりのトトロの演奏後には、大村知事はじめ皆さんがスタンディングオベーションするなど、先人に思いをはせ、現在の愛知県の繁栄を思いながら、大きな感動をいただきました。  今回、久しぶりの一般質問の最初のテーマは、この県政百五十周年を契機として、昨年、令和四年十二月議会で制定したあいち県民の日条例について取り上げさせていただきました。  県民の日の創設については、我が団の塚本久議員が昭和六十一年の九月定例議会で初めて質問され、私も平成二十二年の十一月定例議会で愛知県誕生の歴史に触れながら一般質問させていただきましたので、十一月二十七日をあいち県民の日とする条例が制定されたことを大変うれしく思っております。
     質問当時は、全国的には県民の日制定の動きはほぼ止まっていましたが、二〇一七年に北海道が、二〇一八年に鹿児島県が制定するなど、現在、十八都道県が制定していると伺っております。  今回の条例制定に向けては、県民の日に取り組んでほしい事業などについて、連合愛知の皆様や稲沢市議会市民クラブ、愛知啓成高等学校、子供会の関係者などにアンケートをお願いいたしました。連合愛知からは二十四件もの御提案をいただくなど、いろいろな御意見、御要望をお寄せいただき、当局へも御紹介させていただきましたが、少し御紹介させていただきますと、学校の休校や施設などの割引、郷土料理や特産品の紹介、工場見学、フォトコンテスト、スポーツ大会など、様々であります。また、学校の休校については、授業時間や保護者負担の点から慎重にという意見もあったことを付け加えておきます。  加えて、個人的には、十一月二十一日から二十七日まであいちウィークが設けられますので、七日間を有効活用していただきたいと思います。  例えば、日本リサーチセンターの第七回NRC全国キャラクター調査によりますと、二〇二〇年の好感度トップはくまモンですが、二位がとなりのトトロ、男女別では、女性の四十代、五十代、六十代でとなりのトトロがトップ、三十代は二位、魔女の宅急便も上位に位置しており、ジブリのキャラクターは大変な人気でありますので、ジブリパークにおいて、女性デーや要望の多いベビーカーでゆとりを持って入場できる日をあいちウィークの中で一日設けるなど、ぜひ御検討をお願いするものであります。  そして、歴史を振り返り、未来へ継続する意味で、あいちウィークに周年を加える、例えば、本年は県政百五十一周年ですので、あいちウィーク一五一とすることで、末永く県民の皆様に定着するのではないかと考えます。  他県の県民の日における民間事業者の取組事例では、民間施設における入場料等の割引や記念品プレゼント、商業施設における記念セールの開催、鉄道事業者による一日フリー乗車券の販売など、様々な取組が行われ、県民の日を盛り上げていただいています。  県が主体となり、市町村や民間事業者など幅広い皆さんの賛同を得て、本年十一月二十七日に初めて迎えるあいち県民の日並びに──あいちウィーク一五一と呼びたいところですが──あいちウィークが多くの県民の皆様に御理解をいただけるように、周知をし、行事に参加いただき、条例の本旨である愛知県への愛着を持っていただくかが肝要であります。  愛知県の教育委員を務められた稲沢市教育長の広沢先生とお話をする機会がありましたが、稲沢市の小中学校はあいちウィークの中で休校できるように準備を進めているとのことでありました。また、地元の愛知啓成高校の足立三千夫先生からも、準備を進めていると力強いお言葉をいただきました。  例えば、新年度では、十一月二十四日の金曜日を休校日に充てますと、二十三日の勤労感謝の日から、あいち県民の日の前日が日曜日になりますので、四連休となります。ぜひ、情報発信力の強い大村知事には、コロナ禍で厳しい状況の観光産業の一助にもなると考えますので、経済産業界、私学協会の皆様などにさらに積極的な協力を要請していただき、あいち県民の日、あいちウィークがより有意義なものとなるようにお願いをするものであります。  そこでお尋ねします。  県は、あいち県民の日の幅広い周知に向けて、どのように取り組んでいかれるのかをお伺いします。また、十二月議会において、あいちウィークの期間中のいずれかにおいて県立高等学校等を休業とすることを教育委員会と調整をしていくと答弁されていますが、その後どうなったのか、教育長にお伺いをいたします。  次に、二番目の項目、経済産業政策の中から、最初に、本県の航空機産業の振興についてお伺いをいたします。  去る二月七日、三菱重工業株式会社の第三・四半期決算発表において、国産初のジェット旅客機、三菱スペースジェットの開発を中止するという非常に残念な発表がありました。  三菱スペースジェットの開発は、航空機産業構造の頂点である完成機事業として、日本の航空機産業がさらなる発展をしていくための重要なプロジェクトでありました。  開発が中止になった検証は、これまで歯を食いしばって頑張ってきた当事者の三菱重工に委ねるとして、敬意を込めて、これまでの経緯、本県の取組などを簡単に振り返ってみたいと思います。  戦後初の国産旅客機YS11が初飛行した一九六二年から半世紀ぶりの国産旅客機として、国を挙げて三菱スペースジェット開発のプロジェクトが進められ、我が国の航空機産業が歴史的転換を遂げる大きなチャンスでありました。  初飛行は、二〇一五年十一月十一日に愛知県営名古屋空港で行われ、誰もがその美しい機体に希望を膨らませ、日本の航空機産業の中心地であるこの愛知から世界に向けて羽ばたくそのときを夢見ておりました。  しかし、残念ながら、合計六度の納入延期の後、二〇二〇年十月には開発活動を一旦立ち止まることとし、そして、本年二月七日、開発の中止に至りました。  本県も、専用工場の建設用地確保や周辺整備をはじめ、三菱スペースジェットに直接は関連しませんが、航空宇宙関連企業への立地補助などを含めると約百億円を投じて支援するなど、航空機産業を大きく育てるべく、様々な取組を行ってまいりました。  さらに、航空機産業の情報発信、産業観光、人材育成の拠点として、あいち航空ミュージアムが整備されました。私としては、あいち航空ミュージアムでの三菱スペースジェット試験機の展示など、苦い経験かもしれませんが、挑戦したあかしとして、レガシーとして、胸を張って展示していただきたいと思います。  また、国においては、研究開発に対して五百億円ほどの支援がされているとのことです。三菱重工の発表では、巨額の資金を要し、事業性が見通せないことを中止する理由として挙げているほか、高度化した型式証明プロセスの理解不足も反省点の一つとされております。資金面や型式証明の取得も含めて、国が最後までしっかりと支援していただきたかったと思います。  そして、このプロジェクトには、県内の多数の航空機製造サプライヤーが参画していたと聞いております。将来の量産に向けて体制を整えていたサプライヤーをはじめ、多くの関係者に影響を及ぼしたことなども含め、三菱重工には、本プログラムについてしっかり検証するとともに、今後も三菱スペースジェット開発で得た知見を生かし、完成機事業を見据えた航空機産業の発展と技術力向上にしっかり取り組んでいただきたいと思います。本県としても、影響を受けた航空機製造サプライヤーの皆さんへの対策も必要と思います。  そこでお尋ねします。  三菱スペースジェットの開発中止に伴い影響を受けた県内航空機製造サプライヤーに対し、県はどのような対応を行っていくのかお伺いします。  さて、本県を含む中部地域には、ボーイング787の機体構造等を製造するサプライヤーが集積しております。中部経済産業局の統計によれば、中部地域の航空部品の生産高は、コロナ禍前の二〇一九年には約八千億円となり、二〇〇九年からの十年間で倍増するなど、大きな成長を遂げてきました。  しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、航空機製造需要が大きく落ち込んだことにより、当地域が主に手がけているボーイング787の生産調整のため、売上げは大きく減少しており、サプライヤーは非常に厳しい状況に立たされております。  企業の業態によって状況は異なりますが、航空機部門の人員を他の部署に配置換えすることにより雇用の維持を図っているとか、航空機産業で培った技術を生かし、新たな事業展開にチャレンジしているという話もお聞きしました。  航空機産業は、高い安全性や技術力が要求されるため、サプライヤーは優れた技術を有しています。その技術を航空機製造に十二分に発揮できる状況に早期に回復することを期待するばかりであります。  本県の航空機産業の振興は、これまで愛知県が中心となり、名古屋市や小牧市をはじめ、航空機産業に関わる産学行政が参画するあいち・なごやエアロスペースコンソーシアムにおいて、人材育成や販路開拓をはじめ、様々な支援策を地域一体となって推進してきました。  本県の航空機産業のさらなる発展のためには、コロナ禍後の航空機需要の回復に向け、コンソーシアムを核として、高度な技術力を有する県内航空機製造サプライヤーのさらなる競争力強化のための支援にしっかり取り組んでいく必要があると考えます。  そこでお尋ねします。  コロナ禍後の本県航空機産業のさらなる成長を促すため、県内航空機製造サプライヤーに対し、どのような支援を行っていくのかお伺いいたします。  本県の企業数、事業者数は二十万社を超えていますが、御案内のように、その九九・七%が中小企業であります。日経新聞、二〇二一年十月二十九日のMRJに関する記事から一部紹介をいたしますと、「中小企業は死なず──。半世紀ぶりとなる国産ジェット機の夢がついえた今も、航空機という高い壁に挑もうとする中小企業がなくなることはない。この国のものづくりを支えるのは大企業ではなく、そんな名もなき担い手たちだ。」という中小企業の心意気を代弁する記事が載っていました。ぜひこの思いに応えていただくようにお願いをいたします。  次に、革新事業創造提案プラットフォーム、A─ideaについてお伺いします。  愛知県においては、昨年十二月に、愛知発のイノベーションの創出に向けた新たな取組として、民間からの提案を起点として、社会課題の解決と地域の活性化を目指す官民連携プロジェクトの創出に向けた枠組みとなる革新事業創造戦略を策定されました。  そして、この戦略を推進する具体的な仕組みとして、産学官金の多様な主体からイノベーション創出に向けたプロジェクトのアイデアや革新的な技術・研究シーズの登録を受け付ける革新事業創造提案プラットフォーム、愛称A─ideaの本格運用を開始されました。  この運用開始に当たっては、大村知事御自身がA─ideaというネーミングに込められたイノベーションのアイデアが集積する場になってほしい、愛知県の愛、STATION AiのAiとかけて、STATION Aiと両輪で愛知発のイノベーションを創出していきたいといった思いを述べられており、強く印象に残っております。  A─ideaの本格運用開始から約二か月でありますが、既に大手企業やスタートアップ、大学等の研究機関といった二百余りの会員登録があり、プロジェクトのアイデア提案も約二十件、技術・研究シーズも五十件近くというように、順次登録される案件も増加しつつあるとお聞きをしております。  今後、プロジェクトのアイデアのうち、優れた提案を有識者による革新事業創造戦略会議において選定の上、県が革新事業として採択し、アイデア提案者を含めた県庁内外のステークホルダーによるワーキンググループでの検討などを行い、プロジェクトの具体化を図っていくこととされています。  愛知発のイノベーションが絶え間なく創出されるためには、プラットフォームが有効に機能するような取組を強化するとともに、できるだけ早期に革新事業のモデルケースとなるような事例を生み出していくことが必要であると思います。  そこでお尋ねをします。  県が革新事業として採択し、具体化を支援するプロジェクトの創造に向け、今後どのように取り組まれるのかお伺いいたします。  次に、二番目の項目の最後となります、イスラエルとのスタートアップ連携についてお伺いいたします。  二〇二四年十月に開業するスタートアップ中核支援拠点STATION Aiの充実強化を図るためには、世界のスタートアップ先進地との連携が欠かせません。  特に、知事が昨年五月に渡航されたイスラエルは、我が国との外交関係樹立七十周年を迎えた親日的な国であり、世界有数のスタートアップ輩出国でありますので、スタートアップに係る協力関係を構築されたイスラエルとの連携には非常に期待をいたしております。  こうした中、私は、神野団長の下、副団長の一人として、昨年十月に議会訪問団としてイスラエルを訪問し、知事がオープンイノベーション支援における連携協力に関する覚書を締結したスタートアップ・ネーション・セントラルやイスラエルスタートアップとの意見交換を行い、イスラエルのスタートアップがどのように育成されたのかを学ぶ機会を得ました。  また、現地では、シンキングアウトサイド・ザ・ボックスという言葉、常識にとらわれないと訳すそうですが、箱の外から考えるという国民性を表す言葉に、先日他界された世界の経済産業界にすばらしい御功績を残された愛知県名誉県民、故豊田章一郎様が、二〇一七年の愛知の発明の日に、豊田佐吉翁生誕百五十周年を記念した講演会で紹介された、障子を開けてみよ、外は広いぞという言葉とシンパシーを感じるものでありました。  さて、最初に訪問したスタートアップ・ネーション・セントラルは、イスラエルの中心的な支援機関であり、スタートアップの豊富なデータベースを運営していますが、支援したスタートアップからの寄附を中心に運営されており、イスラエルスタートアップから大きな信頼を得られていました。  そうしたことから、スタートアップ・ネーション・セントラルとの連携は、県内企業とイスラエルスタートアップとの協業を促進させる点で非常に有益と考えており、その成果を期待しているところであります。  また、昨年五月には、イスラエルイノベーション庁とも研究開発及び技術的イノベーションにおける両者間協力についての合意書を締結しています。イノベーション庁は、民間から資金を調達する前段階の革新的なビジネスアイデアに対し、積極的に資金援助を行う政府機関と伺っており、こうしたイノベーション庁が支援するスタートアップとの連携は、県内企業のオープンイノベーションをさらに活性化させる起爆剤になると考えております。  そこでお尋ねします。  今年度から実施しているスタートアップ・ネーション・セントラルとの連携事業の成果及びイノベーション庁との連携も含めたイスラエルとの今後の取組についてお伺いをいたします。  さて、最後の質問、防災行政についてお伺いします。  最初に、総合的な災害対策についてお伺いします。  先月の二月六日、現地時間午前四時十七分、トルコ南東部のシリアとの国境付近を震源とする大地震が発災し、大きな被害が今も報道されています。被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げ、一日でも早い復興をお祈り申し上げます。  我が国におきましては、一九二三年九月一日午前十一時五十八分、相模湾北西部を震源とする関東大震災が発災し、関東地方を中心に十万五千人余りの死者、行方不明者を数えるなど、災害史上最悪の被害となりました。また、一九五九年の伊勢湾台風の襲来では、本県が甚大な被害を受けております。  国はこれを教訓に災害対策基本法を制定し、九月一日は、国、地方公共団体等関係諸機関をはじめ、広く国民が台風、高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備するために防災の日が制定されています。  現在、災害は、地震に限らず風水害など、激甚化、多様化、複合化しており、その対策を着実に推進しなければなりません。  気象庁の統計でも、大雨の頻度はこの三十五年間に一・四倍に高まっているとの指摘があり、実際、二〇二一年の五月には、災害対策基本法の改正に伴い、避難情報の表現が見直されております。また、避難所対応も、コロナ禍のこともあり、分散避難や広域避難、快適トイレや我が団の久野哲生議員から質問のあったペット同行避難など、多様化が求められております。  私は、二〇一七年の代表質問の中で、二〇〇四年に制定された愛知県地震防災推進条例の総合的な防災・減災条例として、リニューアルの必要性について触れさせていただきました。  鳥取県では、防災及び危機管理に関する基本条例を二〇〇九年に施行していますが、地震だけではなく、災害全体を捉えており、文章の量も本県の条文とは違い、かなり多くなっています。また、何よりも県民に向けた条文づくりがされており、しっかりと心に響くものであります。  そこでお尋ねします。  風水害対策のさらなる強化やDXなど、現在の防災・減災対策を進めていくためには、県民の防災意識の一層の向上が不可欠でありますから、例えば、愛知県地震防災推進条例を風水害等も対象にするなどの改正も考えられますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、当局の御所見をお伺いいたします。  続いて、今回の質問の最後の項目、あいち百万人シェイクアウトについてお伺いします。  本県としてのシェイクアウト訓練の導入は、二〇一三年九月一日の防災の日に実施された稲沢市での県との総合防災訓練が初めてでありました。  シェイクアウト訓練の特徴は、様々な人たちが様々な場所で同時に訓練を行う点にあり、商業施設や学校、オフィスビルなどで、参加者は地震発生時に、姿勢を低く、頭を守り、じっとするの安全行動のワン、ツー、スリーを行う訓練で、誰でも参加していただける点にあります。  当時は二十六万人を超える参加表明をいただき、訓練会場では、正午のサイレンを合図に、大村知事はじめ参加者がシェイクアウト訓練に参加いたしました。  その後、二〇一七年には、目標の参加表明者数の五十万人を突破し、二〇一八年、七十六万人、二〇一九年は八十五万人と順調に参加者は増加し、新たな目標の百万人シェイクアウト達成も間近いと思われました。  ところが、コロナ禍により、二〇二〇年は五十四万人と激減し、二〇二一年は九十万人に復活しましたが、二〇二二年は八十万人に逆戻りでありました。  昨年は、ちょうどシェイクアウト導入から十年の節目でありましたので、登録の締切り間際でありましたが、私も稲沢市及び市教育委員会、商工会議所、商工会、企業、学校、幼稚園、所属している防災ボランティア稲沢など、お声がけをさせていただきましたし、御当局も頑張られておりましたが、残念な結果でありました。  ただし、参加表明者数の属性を見てみますと、行政の参加表明者数が十万人ほど減少しているのが気になりますが、個人、団体の申込み件数は過去最多の千二百七十九件、特に個人、家族の参加表明者数は五十倍でありました。  また、減ったとはいえ、表明者数は過去三番目の実績でありますので、関東大震災から百年の節目に当たる新年度は、ぜひ、あいち百万人シェイクアウト達成に向けて、SNSを活用するなど、しっかりとフォローアップしていただきたいと思います。  いずれにしましても、昨年お伺いした団体、企業、個人の皆さんでシェイクアウト訓練自体をまだ御存じない方が意外と多かったので、より一層の広報が必要と感じました。  そこでお尋ねします。  県民の皆さんが一体となって防災への関心が高まることが期待されているシェイクアウト訓練ですが、あいち百万人シェイクアウト達成に向けてどのように取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。  本年は、県政百五十一周年の新たなスタートとなりますが、大村知事は見事に四期目の当選を果たされ、県民の皆様の負託を得られました。厳しい時代であり、課題が山積している中、大いにその手腕に御期待申し上げますとともに、二元代表制の下、私も県議会議員として、皆様と連携し、県政の前進へ少しでも寄与できればという思いで質問をさせていただきました。御当局の建設的な御答弁を御期待申し上げ、発言を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 16: ◯県民文化局長伊藤正樹君) あいち県民の日、あいちウィークについてのお尋ねのうち、あいち県民の日の周知に向けた取組についてお答えいたします。  あいち県民の日、あいちウィークをより多くの県民の皆様に知っていただき、参加し、実感していただくために、様々な取組を通じて幅広く周知することとしております。  具体的には、あいち県民の日特設ウェブサイトにより情報発信するほか、ポスターやデジタル広告などを活用して、駅や電車内等でのPR事業を展開してまいります。  また、あいちウィーク期間中には、本県の歴史や魅力に関する講演会、子供を対象にした本県の魅力を描くデジタル絵画コンクール、学生等によるコンサートなどのイベントを開催いたします。  さらに、愛知県美術館のコレクション展、愛・地球博記念公園のアイススケート場など、一部の県有施設の使用料等を無料、割引とすることで、多くの県民の皆様に足を運んでいただきたいと考えております。  加えて、全県的な盛り上げを図るために、市町村や民間事業者の皆様にも、議員お示しの他県の取組事例を参考に様々な取組を実施していただくよう、広く連携を働きかけてまいります。  こうした連携事業には、県民の皆様から募集する、あいち県民の日を象徴するロゴマークを掲載させていただくとともに、特設のウェブサイトにおいて広く御紹介をいたします。  議員からは、独自に実施されたアンケートの結果を頂きましたけれども、県としても、あいちウィーク終了後にあいち県民の日の取組に関する意識調査を行い、県民の皆様からの意見等をしっかりとお聞きして、次年度以降の取組につなげていく予定であります。  本県としましては、このような取組を通じて、多くの県民の皆様にあいち県民の日、あいちウィークを知っていただき、愛知への愛着及び県民の誇りを持つ契機となるよう、大きく育ててまいりたいと考えております。 17: ◯教育長飯田靖君) あいちウィーク期間中の学校休業日についてお答えをいたします。  あいちウィーク期間中のいずれかの日に学校の休業日を設けることは、子供が家族などと一緒に、地域の自然、歴史、風土、文化、産業などと触れ合い、愛知への愛着と県民としての誇りを高める契機となり、家庭教育の後押しにもつながるものと考えております。  県民の日について、他県の状況を見てみますと、関東を中心とした六都県が県民の日または都民の日に小中学校、高等学校などが休校となる仕組みを整備しております。  愛知県の県立学校では、あいちウィーク期間中に設ける県民の日にちなんだ休業日を体験的学習活動等休業日としたいと考えております。例えば、長期休業日の一部を学期中の授業日に移すなどの工夫をしながら、授業時間を確保しつつ、休業日を設ける方向で準備を進めております。  また、市町村立の小中学校等につきましては、休業日の当日に保護者と一緒に過ごせない子供の居場所づくりなどにも配慮をしながら、あいちウィーク中に休業日を設定していただけるよう、市町村の教育委員会に丁寧に説明をしているところでございます。 18: ◯経済産業局長矢野剛史君) 初めに、三菱スペースジェットの開発中止に伴い影響を受けた県内航空機製造サプライヤーへの対応についてお答えをいたします。  本県では、三菱スペースジェットの開発中止の影響を把握するため、二月十三日から二十二日まで、航空宇宙産業に関する県内企業二百六十一社に対して緊急アンケートを実施し、百一社から回答がありました。  その結果、五十三社が三菱スペースジェットの開発に参加していた、または量産に参加予定だったとのことであり、そのうち十五社から、三菱スペースジェットの量産を見据えた投資の回収ができなくなったなど、今回の開発中止による影響を受けたとの回答がございました。  また、三菱スペースジェット開発中止に関して行政に期待する支援策として、販路開拓支援、人材の育成・確保支援及び設備投資補助などの要望がありました。  三菱重工業株式会社においては、二〇二〇年十月の開発中断時点から、サプライヤーに対して補償等の対応をされていると聞いておりますけれども、アンケート結果を踏まえ、引き続き丁寧な対応をお願いしてまいります。  本県といたしましても、三菱スペースジェットの開発中止により影響を受けている県内航空機製造サプライヤーに対し、追加ヒアリングなどを行うことで実態をより詳細に把握し、個々の企業の状況に応じてきめ細かく対応してまいります。  続きまして、コロナ禍後の県内航空機製造サプライヤーに対する支援についてお答えをいたします。  航空機産業は、アジア太平洋地域を中心に航空旅客需要が拡大し、世界のジェット旅客機の運航機数は今後二十年間で約一・七倍に増加すると予想されるなど、今後も持続的な成長を遂げると見込まれております。  このため、本県の航空機産業のさらなる発展のためには、海外サプライヤーとの競争に打ち勝つとともに、サプライヤー自身が海外メーカーから受注を獲得するなど、より積極的に事業を拡大していくことが重要であると考えております。  こうした考えの下、本県ではこれまで、国内外の展示会、商談会への出展による販路拡大支援、航空機産業に関わる人材の各階層に応じた育成などを行ってまいりました。
     さらに来年度は、県内航空機製造サプライヤーの競争力強化のための生産体制の構築支援、交換需要の高いエンジン関連部品などの分野における海外メーカーからの直接取引を目指し、専門家によるハンズオン支援などを新たに実施いたします。  これらの取組により、本県の航空機産業が自動車に次ぐ第二の柱として大きく飛躍できるよう、しっかりと支援をしてまいります。  続いて、革新事業創造提案プラットフォーム、A─ideaについてのお尋ねでございます。  革新事業の創造に向けては、プラットフォームに多くのプロジェクトのアイデアや技術・研究シーズが登録されるとともに、アイデアの質を高めることが重要であると考えております。  そのため、プラットフォームの広報活動をしっかり行うとともに、利用者同士の交流を図ることにより、アイデアと技術・研究シーズのマッチングや、アイデア同士の融合を積極的に促進しております。  その一環として、あさって、三月九日には、中部経済産業局と連携をし、プラットフォームを利用しているスタートアップ四社と県内二大学から提案内容等に関する発表をいただくとともに、参加者との交流機会を提供するイベントを開催いたします。  また、プラットフォームに登録されたアイデアのうち、イノベーションの創出につながる有望な提案については、革新事業として採択し、関係者によるワーキンググループにおいて、具体化に必要な法制度面の対応や活用し得る支援制度の選定など、提案の熟度を高めるハンズオン支援を実施してまいります。  なお、民間企業が主導するプロジェクトにつきましては、ビジネスベースでの取組に行政が適切に関与することで社会課題の解決を図るモデルケースとなることが期待をされます。このため、革新事業に採択された民間主導のプロジェクトに対しまして、社会実装に向けた実証実験等を支援する革新事業創造事業費補助金を創設し、プロジェクトの具体化を強力に後押ししてまいります。  これらの取組により革新事業を創造するとともに、新たなプロジェクトの芽を次々と育て、イノベーションを創出してまいります。  最後に、イスラエルのスタートアップ支援機関との連携事業についてお答えをいたします。  今年度は、イスラエルのスタートアップ支援機関であるスタートアップ・ネーション・セントラルと連携し、県内企業が抱える課題に対し、イスラエルスタートアップとのオープンイノベーションを通じて解決を図る、あいち─イスラエルマッチングプログラムを実施しております。  具体的には、県内企業三社が今年一月から二月にかけて実際にイスラエルを訪問し、スタートアップ・ネーション・セントラルやイノベーション庁の協力を得て厳選した現地のスタートアップとのビジネスマッチングを実施いたしました。その結果、現在、それぞれの企業が複数のイスラエルスタートアップと秘密保持契約の締結に向けた協議を進めるなどの成果を得ております。県としましては、引き続き、各社の協業促進に向けた支援を行ってまいります。  次に、来年度につきましては、今年度実施いたしましたプログラムに加え、新たにイノベーション庁と連携し、県内企業の新規事業をイスラエルスタートアップと共に創る共創プログラムを実施いたします。このプログラムは、二年間で新規事業の開発を目指すものでありまして、来年度は、県内参加企業の募集や事業領域の明確化などの支援を行った後、イノベーション庁と連携して共にプログラムを実施するスタートアップの選定を行います。その後、翌二〇二四年度にかけて実証実験などに向けた伴走支援を行ってまいります。  こうした取組を着実に推進することにより、イスラエルのスタートアップが持つ最先端のテクノロジーと県内企業の取組との融合を図るとともに、二〇二四年に開業いたしますSTATION Aiへのイスラエルをはじめとする海外スタートアップの誘引につなげてまいりたいと考えております。 19: ◯防災安全局長坂田一亮君) 防災行政の御質問のうち、防災意識の向上の取組についてお答えをいたします。  本県では、愛知県地域防災計画の中に、継続的に地震、風水害を含めた防災の意識啓発や防災教育の推進を盛り込み、県民の防災意識の向上を図ってきたところでございます。特に、毎年度、県民総ぐるみ防災訓練や水防訓練などに取り組む中で、県、市町村、県内防災関係機関など、防災に関わる各主体が県内各地で住民参加型の訓練を実施するなど、幅広く県民の防災意識の向上に努めてまいりました。  地震については、二〇〇四年に制定した愛知県地震防災推進条例、これに基づく累次の地震対策アクションプランにより、住宅の耐震化や家具の転倒防止対策とともに、あいち防災フェスタをはじめとした県民参加型の啓発イベントに継続的に取り組んでまいりました。  また、風水害についても、県民の皆様の自発的な避難行動を促す取組であるみずから守るプログラムを二〇一一年度から継続的に実施をするとともに、二〇一二年度からは、防災人材育成のために継続的に実施しております防災・減災カレッジに集中豪雨や土砂災害等のカリキュラムを今年度から新たに追加するなど、風水害にも着目した人材育成に取り組んでいるところでございます。  今後も、こうした防災意識の啓発に総合的に取り組むとともに、県の防災Webなど情報ツールを活用したきめ細かな情報発信など、県民お一人お一人の防災意識がより一層高まるよう取り組んでまいります。  次に、あいち百万人シェイクアウトについてお答えをいたします。  突然起こる地震からとっさにその場で身を守るための基本行動としてシェイクアウトは重要であり、県では、二〇一三年度の総合防災訓練を皮切りに、毎年度、様々な訓練の場で実施しているところでございます。  当初は、参加表明者数十五万人を目標にスタートし、徐々に目標を上げて、二〇一八年度からはあいち百万人シェイクアウトを掲げ、百万人の参加を目標に取り組んできたところであります。  十年目の節目となった今年度は、コロナ禍等の影響もあり、全体の参加人員は減少いたしましたが、一方で、学校や職場単位ではなく、個人や家族、また、NPOや自主防災組織単位で参加表明をいただいていた方が五千六十八人から五万四千五百六十五人へと昨年度対比で十倍以上に増加をいたしました。  これは、これまでの取組の積み重ねによりシェイクアウトが浸透してきたことに加え、今年度からは、ヤフージャパンのアプリを使ってスマートフォンユーザーに直接参加表明の呼びかけを行うなどの工夫の効果が現れたものと考えております。  この訓練の普及拡大に向けては、大学、防災関係の有識者で構成するあいちシェイクアウト訓練実行委員会で、毎年度、訓練結果の検証と参加登録促進に向けた取組の検討を繰り返しながら進めております。来年度に向けては、あいち防災ツイッターなどのSNSを効果的に活用したらどうかなど御提案をいただいておりますので、こうした提案も踏まえながら、今後も一人でも多くの県民の皆様に御参加いただけるよう取り組んでまいります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 20: ◯四十番(南部文宏君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 21: ◯議長須崎かん君) 南部文宏議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 22: ◯議長須崎かん君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時五十四分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 23: ◯副議長(佐藤一志君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  犬飼明佳議員。     〔五十番犬飼明佳君登壇〕(拍手) 24: ◯五十番(犬飼明佳君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問をいたします。  まず初めに、あいちデジタルヘルスプロジェクトについて。  総務省の人口推計によれば、二〇二三年一月一日現在の我が国の六十五歳以上の人口は三千六百二十一万人で、高齢化率は二九・〇%に上り、今後も急激な高齢化が進むと見込まれています。  一方、人口動態統計速報では、昨年一年間の出生者数は統計開始以降初めて八十万人を割り、過去最少を更新しました。このことは少子・高齢化に伴う社会問題が予測以上の速さで到来することを意味しており、超高齢社会への対応は待ったなしであります。  愛知県の人口は、二〇一九年の約七百五十五万人をピークに三年連続の減少を続けており、出生数の減少によって県内人口の高齢化が進んでおります。  そうした中、二〇二一年三月に策定された第八期愛知県高齢者福祉保健医療計画によりますと、要介護・要支援認定を受ける高齢者の数は、二〇二〇年の約三十一万人から、団塊の世代が七十五歳以上の後期高齢者となる二〇二五年には約三十七万人、団塊ジュニア世代が六十五歳以上の高齢者となる二〇四〇年には約四十三万人と予測され、大幅な増加が見込まれております。  これは、我が国において歴史的に大きなボリュームの世代である高齢者をこれまで以上に先細っていく現役世代が支える構図が長く続くことを意味し、これまでの公的保険による医療や介護を根幹とした仕組みで社会を支えていくことが困難になっていくと危惧されております。  そのため、今後は、高齢者の方に、医療や介護に頼る必要を抑え、いかに健康で長く自立して暮らしていただけるか、また、そうした社会を支える健康長寿関連のサービスをどのように活性化していくかという取組に焦点を当てる必要があります。  国においては、二〇一三年から次世代ヘルスケア産業協議会が設置され、医療や介護の制度外の予防・健康管理サービスの活用を通じて、国民の健康長寿の延伸と新産業の創出を同時に達成するというコンセプトでヘルスケア産業施策が推進されております。  このような時代の流れを前提に、予防や健康管理サービスの領域における民間企業の取組の例を一つ御紹介します。  千葉県柏市にある民間ディベロッパーが開発した新興街区において、大手企業やスタートアップ企業が連携して、デジタル技術を活用したヘルスケアサービスを提供しています。  具体的には、希望する住民等を対象に、歩数や体重の管理ができるアプリやAI管理栄養士による健康アドバイスの提供、専門医へのオンライン相談といったサービスを二〇二〇年から専用ポータルサイトを通じて提供しています。  この取組では、利用者の同意の下、複数の企業が提供するサービスそれぞれから得られる個人の健康や生活に関するデータを連結して、利用者一人一人に最適化されたサービスを提供しているそうであります。  例えば、健康診断結果や日常の活動量のデータを組み合わせて将来の疾患リスクを評価し、その評価に基づく高精度な食事指導を行うといったことが可能となっているそうです。  この事例は、複数の民間企業が連携し、デジタル技術を活用した最先端のヘルスケアサービスを提供するという点で参考となる事例の一つになると考えます。  本県におきましても、昨年末に経済産業局を窓口として、愛知県、国立長寿医療研究センター及び民間事業者四社であいちデジタルヘルスプロジェクトに関する連携協定が締結されました。  長寿医療に関する国の研究機関の知見と民間企業のビジネスとがつながるこのプロジェクトについては、超高齢社会への対応に向けた本県の新たなアプローチとして期待するものであります。  そこでお尋ねします。  あいちデジタルヘルスプロジェクトでは、どのような成果を目指して、どのような取組を進めていくのかお伺いいたします。  認知症施策について。  高齢化の進行に伴い、認知症高齢者の大幅な増加が見込まれ、六十五歳以上高齢者に占める割合は、二〇二五年には五人に一人、二〇四〇年には四人に一人となると言われています。認知症は誰もがなり得る身近な疾病であり、認知症に関する施策の充実は重要かつ急務であります。  私自身も認知症サポーターとなり、認知症に優しいまちづくりはこの十年来の私のライフワークとなっております。中でも、地域で自分らしい生活を続けていくためには、発症予防と早期診断、早期支援が特に重要であると考え、力を入れて取り組んできました。  認知症予防に向けたプログラムとしてコグニサイズが知られています。これは運動と計算やしりとり等の認知課題を組み合わせたもので、コグニション、認知とエクササイズ、運動を組み合わせた造語ですが、大府市にある国立長寿医療研究センターで開発されたものです。  また、認知症の早期発見のヒントとなる十三の質問で構成された認知症チェックリストの作成、普及など、発症予防や早期発見に向けて、県と長寿研が連携した取組が進められております。  私もこのコグニサイズや認知症チェックリストを活用して地域の人々と共に取り組んできましたが、当初出会った方々も今は七十五歳、八十歳と後期高齢者となられ、体力や記憶に自信がない、生活に不安を感じるといった声をお聞きすることも多くなりました。いわゆる団塊の世代が七十五歳以上の後期高齢者となる二〇二五年も目前に迫っており、さらなる危機感を持って取組を充実していくことが必要であると強く感じております。  こうした中、昨年五月には、長寿研では新たな診療棟が竣工し、私もオープン間もない五月二十五日に視察をさせていただきました。この診療棟は、県も支援をされて整備されたもので、病床のほか、メディカルゲノムセンターや最先端画像解析センターなどが設置されており、認知症を含む、広く老年病領域における最先端の研究が行われるとのことです。  今後、この機能強化された長寿研で、認知症の原因究明や早期発見、先進的な治療体制の構築に向けた取組が進んでいくとともに、こうした長寿研等で進められている研究の成果がいち早く市町村をはじめとする身近な地域に還元され、現場の取組に活用されていくことに期待を寄せております。  また、愛知県には、長寿研をはじめ大学などの研究機関が多数存在するとともに、産業県として多くの活力ある民間企業が集積しています。企業の活動は、買物や外出等、私たちの日常生活全般に広く関わっており、認知症に優しいまちづくりに向けて、地域社会の一員として企業に求められる役割は大きいと思います。  県では、あいちオレンジタウン構想第二期アクションプランの七つの柱の中に企業連携と研究開発を位置づけ、取組を進めているところでありますが、民間企業や研究機関が集積するという本県の強みを生かして、産学官連携をさらに推進していくことが重要であると考えます。  そこでお尋ねします。  認知症の人が安心して暮らせる地域づくりに向け、研究機関や企業と連携してどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  さらに、こうした地域づくりの取組にとどまらず、認知症に対する不安を解消する様々なサービスやソリューションをビジネスベースで新たに生み出していくことが必要であると考えます。  本年一月、日本の製薬会社が開発したアルツハイマー型認知症の治療薬が米国において承認され、大変大きなニュースとなりました。そして、我が国においても、二〇二三年中の承認を目指し、承認申請がなされております。この新薬は、これまで困難と言われていた認知症治療を実現するものであり、大いに期待するものですが、こうした新薬の開発には、治験の蓄積、分析をはじめ、医療機関や大学等との連携が不可欠です。  また、昨年九月には、国内の通信会社が、人工知能を活用し、認知症の疑いを電話で測定するサービスを開始しています。このサービスは、音声から認知機能の変化をチェックするアプリケーションを開発した企業との協業により誕生したものです。さらに、このサービスの提供をきっかけとして、認知症の予防や発症後の生活の質の向上等に取り組むパートナー企業の募集を行っており、その募集に応じた金融機関や保険会社等と共に、今後新たなサービスの創出を図っていくとしております。  そこでお尋ねします。  このように、認知症の予防や治療を図るとともに、認知症になっても住み慣れた地域で暮らしていける社会を実現するためには、大学や研究機関との産学連携や民間企業同士など、様々な連携を図りながら、民間企業による新たなビジネスモデルの創出を支援していくことが重要であると考えますが、県のこれまでの取組と今後の展開をお伺いいたします。  次に、小児及びAYA世代のがん患者への支援について。  本県では毎年五万人を超える方ががんに罹患しており、四十歳以降の働く世代から罹患率が急激に高くなります。その一方で、乳がん、子宮頸がんのように二十代後半の若い世代から罹患数が増えてくるがんもあります。  AYA世代に該当する十五歳から三十九歳という年齢は、就学、就労、結婚、出産とライフステージにおける様々なイベントを迎える時期であり、がんの治療を受けることがそれらに影響を及ぼすことがあるほか、治療の副作用が生殖機能に影響を及ぼすこともあり、患者は様々な将来の不安を抱えやすい状況にあります。  国の総合的な思春期・若年成人(AYA)世代のがん対策のあり方に関する研究班の報告によると、治療中のAYA世代のがん患者が特に相談したかったこととして、診断、治療のことなどと並び経済的なことが上位に位置しています。  原則十八歳以上の方は小児慢性特定疾患の医療費助成を受けることができず、また、介護保険の給付対象ともならない年代であることから、そうした経済的な不安に対する支援も必要となります。  私ども公明党愛知県議員団は、公的支援制度がないAYA世代のがん患者の在宅療養への支援を望む声をお聞きし、二〇二一年十一月、がん患者支援団体の方々と共に、がん対策の着実な推進を大村知事へ要望させていただきました。そして、小児・AYA世代のがん患者について、相談支援体制の強化を図るとともに、各市町村で在宅療養に対する支援事業が実施できるよう、県の補助制度の創設を求めました。  同席した加藤那津さんは、三十歳代で乳がんに罹患しました。彼女は、在宅療養を希望しても、四十歳未満の若年がん患者は制度のはざまにあり、介護保険制度を利用することができません。介護や療養生活に必要な日常生活用具の購入など、経済的に大きな負担がありますと語られました。また、小児についても、小児慢性特定疾病の医療費助成の対象とならない訪問介護や訪問入浴などの在宅サービスが必要な場合もあります。  最期のときを、誰と、どこで、どう過ごしたいか。家族が、我が子が、経済的な負担を考え言い出せないままそのときを迎えると思うと胸が締めつけられます。  私は、制度のはざまを埋め、患者本人や家族が抱く自宅で大切なときを過ごしたいとの願いをかなえることができる、がん患者の心に真に寄り添ったさらなる制度が必要であると考えます。  県のがん対策推進計画では、ライフステージに応じたがん対策の推進を掲げており、AYA世代の診療や相談支援等に対する連携体制の強化や、AYA世代のニーズに応じた生殖機能を考慮した治療等に関する情報の提供などを進めていくとしています。  そこでお尋ねします。  県では、これまで小児及びAYA世代がん患者への支援をどのように進めてきたのか、また、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。  こどもホスピスに対する支援について伺います。  こどもホスピスは、小児がんをはじめ神経・筋疾患や重症心身障害などの子供たちが、専門家の見守りの下、治療から離れて、子供とその家族のやりたいことをできる限りかなえ、生きることを諦めることなく、家族と笑い合って楽しい思い出をつくる、第二のおうちのような施設であります。  一般的なホスピスとは異なり、痛みや苦痛から解放する処置を行ったり、心理的なケアを行ったりして、穏やかな最期を迎えられるようにする病院のような場所ではありません。  現在、こどもホスピスは、国内では大阪市と横浜市の二か所にしかなく、いずれも民間団体が設立し、主に一般からの寄附によって運営されております。  私は、大阪市にある公益社団法人のツルミこどもホスピスと横浜市にある認定NPO法人の横浜こどもホスピス、うみとそらのおうちを視察いたしました。  この二か所のこどもホスピス、施設を利用した子供とその家族のかなえたい願いのほとんどが、一緒の布団で寝てみたい、みんなで一緒にお風呂に入りたい、家族に御飯を作ってあげたい、花火をやりたい、プールで水遊びがしたいというものでした。私がふだん当たり前だと思って経験してきたことばかりであります。こどもホスピスが子供とその家族に寄り添い、学びや遊びの支援、そして、様々な体験の機会を提供し、病気の子供とその家族の希望の光となっていることを一人でも多くの方に知っていただきたいと思います。  ツルミこどもホスピスは、大阪市の公募により市有地を有償貸与されている以外は行政との関わりはなく、年間六千万円から七千万円の運営費はほぼ全て寄附によって賄っております。八割が個人からの寄附だそうです。公益社団法人を取っておられるので社会的信用性が高く、寄附が集まりやすい状況で、温かい支援によって成り立っているとおっしゃっていました。  横浜こどもホスピスでは、田川代表理事から、御自身の次女を悪性脳腫瘍で亡くされた経験も踏まえ、闘病する子供や家族のことを伺いました。子供たちは、病気になってしまった自分をまず責めるそうです。保護者は、付き添い、身体的にも、心理的にも、経済的にも追い詰められます。きょうだいは、親が付きっきりのため愛情不足によって疎外感を感じていきます。そうすると、どんどん家族が壊れていく。どこにも相談できる場所がない。そして、さらに孤立していく。これが実情とのことと語られました。  子供を亡くした家族の立ち直りについては、あれをやらせてあげたかった、こんなこともやらせてあげればよかったと悔いる親より、こどもホスピスを利用してやりたいことを全部やらせてあげたと感じている家族は立ち直りが早いとも話されておりました。こどもホスピスの支援対象は、子供だけじゃなく、その家族全てであります。  このようなこどもホスピスを愛知県内にも設立しようとの動きが生まれております。昨年十月、医療関係者を中心に愛知こどもホスピスプロジェクト準備委員会が発足。私は、畑中めぐみ代表らとの意見交換を行いました。命の危険がある病気や障害の子供は、全国で約二万人、愛知県では約千人いると推計されているとのことです。県内の小児がん等の子供とその家族のニーズ調査や、まだまだ認知度が低いこうしたこどもホスピスの普及啓発など、県への要望もその場で示されました。  私はこれらの視察や意見交換を踏まえ、こどもホスピスの設立、運営は、子供と家族のやりたいことをできる限りかなえるという目的からも、民間が行うことが望ましいと考えます。  しかし、一方で、子供たちの健やかな成長を図るための支援及び孤立感を深める家族への支援等の観点から、県としての支援は必要であると考えます。  そこでお尋ねします。  こどもホスピスについて、本県の考えと今後の取組についてお伺いをいたします。
     最後に、新川流域の流域治水に関する取組についてです。  近年、毎年のように全国各地で水災害が発生し、甚大な被害がもたらされております。  昨年九月二十三日には、台風十五号の影響により線状降水帯が発生したとして、本県で初めて顕著な大雨に関する情報が発表され、田原市全域と西尾市と幸田町の一部で避難指示が出されました。  私の地元である中川区をはじめとした新川流域では、二〇〇〇年九月の東海豪雨により甚大な被害を受け、その後に河川整備が緊急的に実施されたこともあり、幸いにも甚大な水災害は発生しておりません。しかしながら、日の出橋から三日月橋までの区間は高潮に対する高さが不足していることから、気候変動により巨大化する台風時の高潮被害への不安はいまだに残っております。  さらに、中川区と港区との境に架かる両郡橋は、東海豪雨後の河川激甚災害対策特別緊急事業で河床掘削などを行うため、河川と道路の完成形での整備には時間がかかることから、旧橋を撤去し、仮橋が設置されております。高潮堤防の整備を完成させるためにも、早期の本橋への架け替えが必要であります。  また、流域での治水対策としては、新川流域は都市化が著しい地域であることから、二〇〇六年に特定都市河川流域に指定され、市町と共に策定した新川流域水害対策計画に基づき、雨水貯留施設の設置などの流域対策が進められております。  このような対策は、河川への流出量を抑制し、地域の浸水被害の解消、低減に大きく寄与するものであり、今後も、都市化による流出の増大を抑制する雨水貯留施設の整備を、河川整備と併せてしっかりと行っていくことが不可欠であります。  一方、ソフト対策として、二〇一九年度から、本県独自の取組である、みずから守るプログラムに取り入れられているマイ・タイムラインは、各自で豪雨時に時系列的に取るべき行動を記入するもので、避難の実効性を高めるのに大変有効な手法と考えられます。  私も、昨年十月に行われました、名古屋市の中川鯱城会雑学倶楽部の方々を対象とした県政お届け講座、マイ・タイムラインをつくろう~洪水から命を守る避難計画~に参加し、大雨のときに適切に行動するに当たり、改めてマイ・タイムラインの有効性を実感しました。  マイ・タイムラインについては、長野県ではアプリも活用するなど、他の自治体においても普及拡大を進めております。  昨年二月議会でも、新川流域における流域治水の取組について質問したところ、今後も、庄内川水系流域治水プロジェクトに基づいて、関係機関と連携し、ハード、ソフト一体となった流域治水に取り組んでいくとの答弁がありました。  そこでお尋ねいたします。  プロジェクトの作成からおおむね二年が経過した新川流域において、中川区をはじめとした新川下流部の高潮堤防、両郡橋及び流域の雨水貯留施設の整備状況とマイ・タイムラインの普及への取組についてお伺いをいたします。  以上、理事者側の明快な答弁を期待し、壇上からの質問とさせていただきます。御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手) 25: ◯経済産業局長矢野剛史君) あいちデジタルヘルスプロジェクトについてのお尋ねであります。  本県におきましても、高齢者数は今後大幅に増加する一方、少子化により現役世代が減少する中で、従来の医療介護システムの逼迫は懸念されており、健康長寿を支える新たなサービスを生み出すことは喫緊の課題であると受け止めております。  中でも、オンラインでの見守りや個人の生活習慣データに基づくオーダーメードのヘルスケアなど、デジタル技術の活用は、高齢者の健康寿命の延伸や、住み慣れた地域で暮らし続けるといった超高齢化に伴う社会課題の解決に資する重要施策であると考えております。  こうした観点から、本県では、昨年十二月に、国立長寿医療研究センター及び民間企業四社とあいちデジタルヘルスプロジェクトの立ち上げに向けた基本合意に至り、連携協定を締結いたしました。  このプロジェクトにおいては、デジタル技術を活用した健康寿命の延伸と生活の質の向上に資する新たなサービスやソリューションの創出という成果を生み出してまいります。  来年度は、連携協定を締結した国立長寿医療研究センター及び民間企業四社を中核に推進体制を確立いたしまして、具体的な取組内容を基本計画として取りまとめ、プロジェクトを実行段階に進めてまいります。  連携協定を締結した民間企業においては、例えばスマートフォンを介したオンライン健康医療相談や、双方向コミュニケーションロボットによる高齢者の遠隔見守りサービスの提携などを行っておりますが、こうした取組に国立長寿医療研究センターの知見も加えて、健康長寿分野のイノベーションにつなげたいと考えております。  このプロジェクトにより、誰もが安心して元気に暮らせる愛知づくりを実現するとともに、将来的には、この取組の成果によって、我が国の超高齢化という社会課題の解決に貢献してまいります。  次に、認知症施策のうち、産学官の連携による民間のビジネスモデル創出支援についてのお尋ねでございます。  第八期愛知県高齢者福祉保健医療計画の推計によると、県内の認知症高齢者は、二〇二五年に最大三十八・九万人、二〇四〇年には最大五十四・六万人に達するとされ、十五年間で十五・七万人もの増加が見込まれております。このため、誰もが認知症になり得るとの前提に立ち、様々なサービスを生み出すことが必要であります。  こうした認識の下、二〇二一年度から実施している健康長寿社会形成ビジネスモデル創出調査事業では、健康な高齢者のフレイル、認知症の進行予防と、支援が必要な状況でも住み慣れた地域で暮らせるエイジング・イン・プレイスを施策の柱に掲げ、国立長寿医療研究センターなどの研究機関が持つ研究シーズと、スタートアップなどが持つ最先端の技術やアイデアのマッチングを図り、認知症に対応したビジネスの創出につなげる取組を進めております。  具体的には、県内の研究者を座長とする六つのワーキンググループを立ち上げ、共同研究の体制づくりなどを支援しております。  これまでの成果として、国立長寿医療研究センターと食品製造会社との間において、野菜の摂取による認知症の進行予防に関する共同研究の実施につながりました。また、藤田医科大学と電力会社やスタートアップ等の複数企業の共同研究として、認知症の人も暮らせるスマートホームの実現に向け、家庭における消費電力の変動状況の分析や高齢者の表情や視線の分析などから高齢者の認知機能の評価を行うシステム開発の実証実験を支援しています。  引き続き、産学官連携による共同研究や実証実験を支援するとともに、これまでの取組の成果が、先ほど申し上げましたあいちデジタルヘルスプロジェクトへの融合も視野に、社会実装に進むよう努めてまいります。  今後も、産学官の連携によるビジネスモデルづくりを支援し、認知症高齢者の急増に対応するイノベーションを創出してまいります。 26: ◯福祉局長橋本礼子君) 認知症施策についてお答えいたします。  県では、認知症予防の取組を推進するため、二〇一八年度より国立長寿医療研究センターと連携して、認知機能の低下リスクを判定する手法の開発を進めてまいりました。今年度末には、高齢者が御自身のリスクを把握できるチェックリスト等が完成することから、来年度は、同センターと連携いたしまして、市町村を対象とする説明会を開催し、地域における活用を促してまいります。  また、小売業や金融機関といった身近な店舗等において、認知症の方への対応を学び、できることを一つからでも実践していただけるよう、本県が考案いたしましたワンアクション研修の普及を図るほか、企業と市町村の連携を促進するためのセミナーを開催しており、今年度は認知症の方の外出や旅行の支援をテーマとして、先月二十八日に実施したところでございます。来年度も引き続き企業における認知症への理解促進を図ってまいります。  さらに、今年度からは、企業において、認知症の人に優しいサービス等を創出していただくためのモデル事業を実施しております。この事業では、認知症の方と企業の交流を図るためのワーキンググループを開催いたしまして、認知症の方にとっては、その場で自身の経験や思いを発信していただくことで社会参加の機会としていただく一方、企業におきましては、そうした意見を持ち帰り、自社でできる取組の検討につなげていただくこととしております。  来年度もモデル事業を継続し、サービス創出のプロセスを含め、事業の成果を県内に普及してまいります。  こうした取組を通して、研究機関や企業と連携して、認知症の人が安心して暮らせる地域づくりを推進してまいります。 27: ◯保健医療局長吉田宏君) こどもホスピスについてでございます。  こどもホスピスは、一般的にイメージされる末期がんの患者さんが穏やかな最期を迎えるための入院施設ではなく、がんをはじめとした生命に関わる重い病気を持つ子供とその御家族に寄り添いながら、学びや遊びの場を提供する施設でございまして、全国で数か所が民間団体を主体として運営されております。  病気のため外出が制限される子供たちに対しまして、自宅と病院以外の場所で様々な体験の機会を得ることは、大変有意義な取組だと認識しております。  県では、来年度、小児がん医療の専門家やがん患者、家族等で構成される小児・AYA世代のがん対策に関するワーキンググループにおきまして、小児がんの子供たちとその御家族が療養生活を送る上でどのようなことを望まれているかなど、ニーズを把握するための調査について検討してまいります。  今後も、小児・AYA世代のがん患者さん等への支援にしっかりと取り組んでまいります。 28: ◯建設局長(道浦真君) 新川流域における流域治水に関する取組についてであります。  新川流域では、二〇二一年三月に流域の関係者が共同して取りまとめた庄内川水系流域治水プロジェクトに基づいて、ハード、ソフト一体となった治水対策を進めております。  ハード対策のうち、県が実施する河川整備としては、二〇〇七年十月に公表した一級河川庄内川水系新川圏域河川整備計画に、日の出橋から三日月橋までの約一・六キロメートル区間の両岸で延べ約三・二キロメートルの堤防をかさ上げする高潮対策などを位置づけております。これまでに、用地取得率は九割を超え、堤防のかさ上げ工事は約一キロメートルが完了しております。また、堤防のかさ上げに必要となる両郡橋の架け替えについては、道路を管理する名古屋市において、今年度、取付道路の用地測量に着手しております。来年度は、用地買収を進めるとともに、橋梁下部工に着手される予定です。  流域市町などが整備する雨水貯留施設については、二〇〇七年十月に公表した新川流域水害対策計画に約二十五万立方メートルの整備を位置づけており、昨年度までに学校の運動場や公園などへ約十八万立方メートルが整備され、進捗率は七割を超えております。  一方、ソフト対策としては、昨年度、小学生向けにマイ・タイムラインを簡単につくることができる支援ツールを作成し、今年度から教員を対象にした研修会などでの啓発活動や小学校などでの出前講座の実施により、普及拡大に努めております。また、アプリの活用は、携帯性に優れ、プッシュ通知が可能となるなど有用であるため、他県の取組や民間アプリの開発状況について研究してまいります。  今後も、流域の皆様の安全・安心な暮らしを守るため、ハード、ソフト一体となった治水対策に取り組んでまいります。 29: ◯知事大村秀章君) 犬飼明佳議員の質問のうち、小児及びAYA世代がん患者さんへの支援について、私からお答えをいたします。  小児・AYA世代は様々なライフイベントを迎える年代であり、抱える問題は複雑化、多様であるため、きめ細やかな支援が必要であります。  そこで、がん診療連携拠点病院等のがん相談支援センターでは、就学、就労、妊よう性温存等の相談並びに情報提供を丁寧に行っております。  また、昨年度から、将来子供を産み育てることを望む小児・AYA世代のがん患者さんに、卵子等を凍結保存する妊よう性温存治療の助成を開始し、今年度からは、凍結した卵子等を用いた温存後生殖補助医療についても助成の対象に加えるとともに、新たに医療用ウィッグ等の購入費を助成するアピアランスケア支援事業を開始いたしました。  こうした事業につきましては、犬飼議員はじめ、県議会の皆さんの御支援もいただいたということを申し上げたいと思います。  さらに、来年度からは、介護保険制度が適用されない四十歳未満のがん患者と、その家族の経済的及び心理的負担の軽減を目的として、在宅サービス等の利用費用を助成する市町村に対して補助してまいります。  今後も、小児及びAYA世代をはじめとする各世代のがん患者さんに寄り添ったきめ細やかな対策を推進し、がんになっても安心して自分らしく暮らせる愛知の実現を目指してまいります。 30: ◯五十番(犬飼明佳君) 各御答弁をいただきました。大村知事からも、小児・AYA世代のがん患者の支援にも御答弁をいただきましてありがとうございます。  その小児・AYA世代の支援について、要望をさせていただきます。  今、御答弁、知事からいただきました。このがん患者の支援で今年度創設していただきましたアピアランスケアの支援、これにつきましては、購入費を助成する市町村が今年度一気に広がりまして、令和五年度スタート時には五十二市町村まで拡大をするということも伺っております。県としてもしっかり推進していただいた結果であると高く評価をし、感謝を申し上げます。  そして、新年度からは、在宅医療ということで支援をしていただきます。四十歳未満、小児も含めて対象としていただきました。私ども公明党県議団の要望も反映をしていただき、そして、患者やその御家族、支援団体の方々も大変に喜ばれております。私からも感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。  今日はその一人であります安藤晃子さん、今日傍聴にお越しいただいておりますけれども、安藤さんのお話を少し紹介させていただきます。  二〇二一年五月に、九歳の娘、佐知ちゃんを急性リンパ性白血病で亡くされました。六歳のときに診断をされ、三年四か月の闘病期間は病院と自宅の往復が年々多くなり、さらにコロナ禍で一時帰宅ができない状況に陥りました。おうちに帰りたい、おうちに帰りたいと、佐知ちゃんも大変つらい思いをされたということでありました。そのようなときに一時的に呼吸停止に陥りました。  安藤さんは家族と話し合い、佐知ちゃんの願いをかなえようと決断し、主治医や看護師の方々に相談をして、地域連携で地元の訪問医療事業者等の協力や多くの方々のサポートによって自宅に帰ることができました。  たくさんのおもちゃを準備し、一家総出で毎日毎日全力で遊びました。パパとママのところに生まれてきてくれてありがとう。大好きだよ。安藤さんは伝えたい言葉をたくさん、たくさん伝えられました。  そして、自宅に帰り八日目、佐知ちゃんは声にならない声で大好きと口を動かしてくれ、最期のときを迎えられたということであります。  安藤さんは、残された時間を佐知ちゃんも家族も共に精いっぱい生きた、佐知ちゃんの最後の願いをかなえることができた、その思いが今の自分を支えていると語られました。  現在、安藤さんは、先ほど壇上で取り上げさせていただきました愛知こどもホスピスプロジェクト準備委員会の一員として、生きることを諦めないことをサポートする活動をされております。このこどもホスピスについては、私も継続的にまた今後取り上げていきたいと思います。  さて、こうした幼い我が子を見送った母親、また、その逆に幼い子を残し最期のときを迎えた子育て中のAYA世代のお母さん、その御家族の方からもお話を伺いました。いずれも、最期の願いをかなえ、最期まで共に生き抜いたことが支えとなっているということであります。  今回の在宅療養支援は、本人、そして、家族の思いに寄り添った大変有意義な制度を県として創設していただいたというふうに思います。ただ、市町村が助成制度を設けていただかないと、最終的にはこうした小児・AYA世代の方々への支援にはつながりません。  そこで要望でありますが、患者や家族に対する伴走型の相談体制の拡充と医療機関や関係機関との連携強化、さらに、各市町村、地域における在宅療養を受けるための訪問看護や訪問介護等のさらなる充実を県としても取り組んでいただき、市町村の助成制度創設を県としてもしっかりと推進していくことを重ねて要望し、発言を終わります。 31: ◯副議長(佐藤一志君) 進行いたします。  高桑敏直議員。     〔六十二番高桑敏直君登壇〕(拍手) 32: ◯六十二番(高桑敏直君) それでは、通告順に従い、一般質問させていただきます。  最初に、スマートマニュファクチュアリングサミット・バイ・グローバルインダストリーについてであります。  製品販売を行う企業の販売促進や、商品に対する評価やニーズを把握するためのマーケティングの場などとして、企業にとっても重要な役割を担っている展示会は、開催地周辺に経済波及効果をもたらすとともに、MICEの一環として出展や来場を契機とした国内外からの誘客促進につながるなど、会場周辺の地域経済にとっても重要なものとなっています。そのため、世界各国で積極的に展示会が開催され、国内においても多くの展示会が開催されています。  日本における展示会は、従来、国内需要への対応を基本とし、業界団体をはじめとした業界関係者などの主催によるものを中心に発展してきたところでありますが、国内産業が成熟期を迎えていることや、世界を代表する技術力を持った企業が集積していることなどを踏まえ、これまで以上に海外需要を積極的に取り込み、国内外の企業間取引を活発にする必要があります。また、デジタル化の進展やカーボンニュートラルへの対応といった環境の変化は、企業経営、ビジネスモデルに変革をもたらし、多くの産業に大きな影響を及ぼしており、企業は従来の自社による新規顧客開拓や差別化による高付加価値化だけでなく、既存の取引先や業種を超えた連携に着手し、イノベーションを起こしています。  こうした状況の中、展示会のような様々な事業者が一堂に会する機会は、事業者間のネットワークの構築、新たなビジネス創造の場として、その重要性が増しているものと考えます。  昨年五月、大村知事がフランスを訪問し、欧州最大級の産業展示会であるグローバルインダストリーを視察した際、同展示会を主催するGLイベンツから、グローバルインダストリー日本版としてスマートマニュファクチュアリングサミット・バイ・グローバルインダストリーを来年、二〇二四年三月に愛知県国際展示場アイチ・スカイ・エキスポにおいて初開催することが発表され、次いで、昨年十一月には出展者募集を開始すると発表がなされているところです。  既に「日本初上陸。日欧共催 製造業向け展示会」としてリーフレットも作成され、企業への案内、配布も始まっており、会期は二〇二四年三月十三日から十五日の三日間、出展者数は日本国内企業百二十五社、海外百二十五社の計二百五十社。来場者数は一万五千人と想定をし記載されています。  つまり、スマートマニュファクチュアリングサミット・バイ・グローバルインダストリー、略してSMSとこれからは申し上げますが、SMSは、出展者の約半数が欧州を中心とした海外企業であり、国際色豊かな展示会となること、スタートアップにフォーカスしたコンテンツが行われることなど、これからの展示会に求められる要素が盛り込まれた展示会として、これまでにはなかった国や業種の垣根を越えた新たな連携やイノベーションの創出が期待されるところであります。  このSMSの開催は、県としても事業展開を促進する絶好の機会であり、これを活用すべきであると考えます。SMSの成功に向けて、県としてどのような支援を行っているのか。また、SMSを活用した県施策の展開についてお伺いいたします。  続きまして、二番目の瓦屋根の耐風対策についてであります。  近年では様々な住宅が建てられており、木造や鉄筋コンクリート造りなどの構造形式や建物の形状、壁などに用いられる材料などは多種多様となっています。屋根をふく材料も、金属やスレートあるいはかやぶきなど多くの種類がありますが、中でも耐火性や防水性、耐久性に優れ、日本の気候風土と調和して日本家屋の屋根に多く使用されてきたのが瓦です。  本県の重要な地場産業の一つに三州瓦があります。江戸時代に都市の拡大と防火対策による需要が増え、また、海運が発達して輸送力が向上し、良質な粘土と良港──良い港ですね──に恵まれていたこの地域で瓦産業が発展したとされています。  三州瓦は、江戸時代から我が国における瓦の三大産地の一つとして知られており、現在はその中でも全国出荷枚数のおよそ七割のシェアを誇っています。  さて、瓦は土ぶきという工法によってふかれることが主流であり、この工法は、瓦を固定するために土を屋根に載せて、その土で瓦を固定するというものでありました。しかし、現在は土ぶきに代わって引っかけ桟工法というものが主流となっており、この工法では、土は用いず、桟木を屋根の下地を留めた後、瓦を桟木に引っかけてくぎを打つなどして固定するものであります。  この瓦の固定方法については、建築基準法に基づき基準が定められており、基準が制定されたのは昭和四十六年と随分昔のことでありますが、その内容は、屋根瓦は、軒及びけらばから二枚通りまでを一枚ごとに、その他の部分のうち棟に当たっては一枚おきごとに、銅線、鉄線、くぎなどで下地に緊結し、またはこれと同等以上の方法で剥がれ落ちないようにふくこととされていました。  つまり、従来の基準では、屋根の端の部分や棟の一枚置きの瓦だけを固定していればよく、全ての瓦の固定までを求められているものではありません。  しかし、この基準では、固定されていない瓦は強風に対し弱点となり、近年頻発する傾向にある激甚災害をもたらすような台風によって実際に瓦が吹き飛ばされるといった被害が各地で生じています。  特に、千葉県内でゴルフ練習場のネットを支える高さ約三十メートルの鉄柱十三本が倒壊するなど、甚大な被害を発生させた令和元年の房総半島台風では、建築年の古い住宅を中心に瓦屋根の被害も多数発生しました。瓦が飛ばされた被災家屋が多かったために修理の手が回らず、長期間にわたってブルーシートで雨漏りを防ぐ応急処理のままでした。このような状態は、建築物にとっても劣化を早めることになりますし、何よりも居住されている方にとって不安な日々を過ごされていたであろうことは想像に難くありません。さらには、強風で吹き飛ばされていた瓦によって近隣の家にも損傷を及ぼすといった二次的な被害が生じることもあり、被害がより拡大することも懸念されます。  こういった強風により瓦が吹き飛ばされる被害は、千葉県のみならず、本県でもここ数年でしばしば起きています。特に県内でも多くの死傷者を出した二〇一八年の台風二十一号では、県内各地で瓦屋根の被害が発生しました。本県で瓦屋根の被害が同時かつ広い範囲で発生した場合、千葉県のケース同様に、県民の皆さんが長期間にわたり不便な生活を余儀なくされることが予想され、あらかじめ対策を講じておくことが重要と考えます。  国では、こうした瓦屋根の被害の増大を受け、令和二年十二月に瓦の固定方法に関する基準を改正し、令和四年一月一日から施行されているこの改正によって、新築や屋根のふき替えを行う場合、全ての瓦をねじやくぎなどで屋根に緊結することが義務づけられることとなっています。  こうして、新たに建てられる住宅については新基準によって瓦が全て固定されるようになりましたが、問題は新基準が施行される前に建てられた既存の住宅の瓦です。  建築基準法では、基準が改正されても直ちに改修を行って新基準に適合させることまでは求められない、いわゆる既存不適格という扱いが取られており、この措置によって、既存の住宅の屋根を改正後の基準にすぐに適合させる義務は生じないこととなっています。  このため、多くの既存住宅の瓦は、旧来の基準による固定方法のままであり、強風に対して安全性が十分ではないと思われます。  既存の瓦屋根の住宅の耐風対策を進めていくためには、まず、従来の瓦の固定方法では安全性が十分でないことについて県民に知ってもらうことが第一歩であり、そのためには周知を広く行うことが必要と考えます。その上で、現在の瓦の固定方法が安全なのかどうかを調べ、安全性が十分でなかったら改修をするという耐風対策の取組を促していくことが重要です。  しかしながら、耐風対策には費用がかかることから、取組の促進のためには行政による補助が有効ではないかと思われます。防災に関する取組については、一義的には市町村が主体となるべきものであり、瓦の耐風対策に関する補助制度も市町村によることと思われますが、市町村での取組を進めていくためには、県としても支援をしていくことが必要ではないかと考えます。  こうした中、さきの十二月議会では、我が党の日高章議員が瓦屋根の耐風対策について質問を行い、知事からも、国の制度を活用した補助制度の創設を市町村に呼びかけるとともに、県も市町村と連携した補助制度の創設について検討するとの答弁があり、新年度の予算案で既存の住宅、建築物の瓦屋根の安全性を確認する耐風診断や、安全性を有する屋根にふき替える耐風改修に対する補助制度が創設されたことは高く評価したいと思います。  そこで、今回の県の耐風対策に対する補助制度の創設を契機として、瓦屋根の安全性の向上の必要性について、今後どのように周知を行い、また、県と連携した市町村の補助制度創設についてはどのように働きかけていくのかをお伺いしたいと思います。  次に三番目、災害時の燃料確保に係る取組についてであります。  大規模災害時におけるガソリンや重油などの石油燃料の確保についてお尋ねしたいと思います。  昨日、三月六日で、トルコ・シリア大地震の発生からちょうど一か月がたちました。この地震は、日本時間の二月六日午前十時十七分頃、トルコ南東部のシリアとの国境付近を震源に発生したもので、マグニチュード七・八の大地震が両国に大きな被害を与えており、NHKなどの報道では、トルコで四万五千九百六十八人、シリアでは五千九百十四人、合わせて五万千八百八十二人の死亡が確認され、トルコ国内では、倒壊など大きな被害を受けた建物が二十万棟、テントなどでの避難生活を余儀なくされている方が百四十四万人に上るとされています。また、シリア側の被害は、被災地を支配する反政府勢力との対立によりトルコに比べ正確さを欠きますが、十万五千世帯以上が避難生活を送っているそうです。
     犠牲に遭われた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。また、トルコ、シリア両国の一日も早い復興を祈念してやみません。  こうした地震などの大規模災害が起きますと、エネルギー関連施設、設備が被害を受けるとともに、そこで働く従業員の方々も被災するため、被災地ではエネルギーの供給力が平常時と比べて大きく落ち込みます。  例えば、二〇一一年三月に起きた東日本大震災では、地震とその後の津波により、製油所、油槽所といった地域の燃料供給の拠点、石油製品の運送に必要な港湾、道路、ガソリンなどの石油製品を住民に販売するガソリンスタンドなど、石油供給に関連する様々な施設がことごとく被災したことにより、供給能力が著しく低下し、被災地での石油ニーズに対応し切れない状況に陥りました。  皆様の中にも、当時、東北の被災地内のガソリンスタンドにガソリンや暖房用の灯油を求めて長蛇の列ができている報道を記憶にとどめている方も多いのではないでしょうか。  こうした石油燃料不足は、一般家庭だけでなく、消防や警察などが使う緊急対応車両や、病院や避難所、通信施設など、防災上重要な施設や設備の非常用発電機を稼働させるために必要な燃料の備蓄不足も同時に発生しました。  こうした災害時に公用車や重要な施設への給油を優先的に受けるため、愛知県では、二〇〇五年六月に、愛知県石油商業組合との間で災害時における石油類燃料の優先供給等に関する協定を締結し、いざというときの備えをしています。  また、ガソリンスタンドは、取り扱う製品の性質上、大変堅牢な建物構造になっており、実際に一九九五年の阪神・淡路大震災の際には、周辺の家屋が焼失、倒壊していく中、ガソリンスタンドでは、壁など一部破損は見られたものの、倒壊や火災の被害報告はなく、周辺で起こった火災の延焼を食い止めるという現象も数多く見られたと聞いております。さらに、ガソリンスタンドの多くが車の往来が多い幹線道路沿いに立地していること、営業時間が長いため、深夜でも明るく、また、従業員がいることなどの長所に着目して、愛知県は愛知県石油商業組合と災害時における徒歩帰宅者支援に関する協定を締結し、災害により公共交通機関が途絶し徒歩で帰宅する方に対して、水やトイレ、道路情報等の提供を行う役割を果たしていただくこととしております。  この愛知県石油商業組合は、今から六十年前の一九六三年の五月に設立され、中小の石油製品販売事業者の構造の改善や業界の発展のための各種の事業に取り組んでおられます。ガソリンスタンドを運営する事業者はほとんどが中小企業であり、石油元売会社から石油製品を仕入れ、特約店、販売店として店舗販売するケースが多く、中でも一事業者が一か所の給油所だけを運営する零細企業が七割を占めるそうであります。自動車の燃費性能の向上や電気自動車の普及などにより国内のガソリン販売量は減少の一途をたどっており、それに伴ってガソリンスタンドの数も減少傾向にあり、資源エネルギー庁の調べによれば、一九九四年度のピーク時に六万か所以上であったのに対して、二〇一九年度の時点で二万九千六百三十七か所と半分以下にまで減少しているとのことで、経営環境が厳しくなる中、組合員の経営の安定や合理化を図る取組を進める愛知県石油商業組合の果たす役割は大変大きなものがあると考えます。  こうした中、昨年三月、愛知県石油商業組合から災害時の協定の実効性を担保するため、平常時における官公需と一体的な仕組みとなるよう、県に要望書が提出されました。  平常時において市場から物資を調達する場合は、災害時のように緊急の必要に迫られて調達する場合とは異なり、経済合理性や公正性などに反しないよう、競争により適正な価格で調達することが原則となることから、なかなか難しい面があることは承知しておりますが、この要望の背景にあります災害時の実効性を担保することの重要性については十分うなずけるものであり、いざというときに備え、平常時から県と愛知県石油商業組合が密接な連携を図るべきと考えます。  そこでお尋ねします。  愛知県では、大規模災害時の石油燃料の供給の実効性を高めるため、愛知県石油商業組合との平常時からの連携強化について、どのように取り組んでおられるのかをお伺いいたします。  続きまして、大規模災害時における石油燃料を確実に確保するための取組についてであります。  国は、東日本大震災を教訓として、石油精製・元売各社を指定公共機関に位置づけ、災害時における政府への協力を義務化したり、石油元売会社が一致協力して被災者への石油の供給を行うことができるよう、石油備蓄法を改正するなど、災害に強い石油供給網の構築を進めた結果、東日本大震災から五年後の熊本地震の際には、被災地の石油燃料の供給に一定の効果があったと聞いております。  この取組と合わせて、国は、全国の自治体に対し、大規模な災害が発生した場合には物資の調達や輸送が平常時のように機能しないことを認識し、発災後七十二時間は外部からの燃料の供給なしに稼働させるためにあらかじめ燃料等を備蓄しておくとともに、停電の長期化に備え、一週間程度は災害対応に支障が出ないよう、燃料販売事業者等との優先供給に関する協定を締結するなどの準備をあらかじめしておくことを求めています。  石油燃料は災害時のエネルギー供給の最後のとりでと言われ、運輸、民生、電源など、国民の生活や経済活動を維持する上で依然として必要不可欠な物資であることは間違いなく、さらに大規模災害ともなれば、警察、消防、自衛隊などの救援部隊から緊急車両用の燃料として、また、病院や通信業者からは建物や設備の電気を賄うための非常用発電機の燃料として、そして、避難所では暖房用の燃料として、あちこちから石油燃料が必要とされることが想定されることから、こうした場合にあっても、しっかりと必要な石油燃料を確保し、万全な災害対策を行っていただくことが求められます。  そこでお尋ねします。  県では、災害時に必要となる石油燃料をより確実に確保するため、どのように取組を行っていくのかをお伺いいたします。  以上、三点について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手) 33: ◯経済産業局長矢野剛史君) スマートマニュファクチュアリングサミット・バイ・グローバルインダストリー、略してSMSの成功に向けて、どのような支援を行い、SMSを活用してどのように県施策を展開していくのかについてお答えを申し上げます。  SMSは、出展者の約半数が海外企業であること、デジタル、エネルギーなど多くの出展カテゴリーが設けられていることなど、国際色豊かで幅広い業種の関係者が一堂に会する非常にユニークな展示会であります。  県といたしましては、多くの皆様にお越しいただき、これまでにない企業間交流を促進するため、国内外の企業、団体等に対して出展及び来場の働きかけを行っております。  また、中小企業を中心とした県内企業の海外展開や異業種交流を支援するため、SMSに愛知県ブースを出展し、展示、商談、講演等を行うこととしております。  さらに、欧州を中心とした海外企業に対して出展、来場を促すべく、フランスで開催されますグローバルインダストリーに県ブースを出展するなどしてSMSのPRを行います。  加えて、展示会産業振興基金を活用し、開催費用の一部を負担することで、SMSの立ち上げを支援いたします。  SMSを契機とした県施策の展開につきましては、アバターロボットを活用した海外からの遠隔参加など、最先端のデジタル技術を活用した近未来の事業、サービスの実装に向けた実証実験を行うほか、国際色豊かなSMSの特徴を生かし、海外企業や地域とのさらなる交流を図ってまいります。また、SMSにおける国内外のスタートアップとモノづくり産業との交流を、今後の海外展開やモノづくり産業との融合につなげてまいります。  国や業種の垣根を越えた連携、イノベーション創出の場として、SMSが我が国を代表する展示会と成長していけるよう、県としてもその成功に向けて支援するとともに、SMSを活用して、当地域のデジタル化やグローバル化のさらなる加速化に向けた取組をしっかりと進めてまいります。 34: ◯建築局長(成田清康君) 強風に対する瓦屋根の安全性向上の必要性に関する周知と、市町村の補助制度創設に向けた働きかけについてであります。  近年、頻発・激甚化する自然災害に対し、建築物、とりわけ住宅の瓦屋根の耐風対策を進めていくことは非常に重要であると認識しております。  そこで、まずは耐風対策の必要性を知っていただくために、瓦の固定方法の基準が改正されたことについて、県のウェブページへの掲載や、一般の方に向けてリーフレットを配布したほか、建築士などの専門家に向けては、詳細内容を記載したリーフレットの配布や専門誌への掲載などによる周知に取り組んでまいりました。  さらに、今後はこうした取組に加え、一般の方に向けて、市町村の広報紙への掲載や、瓦製造業や瓦工事の関係団体と連携して専門家の立場からの啓発を図るなど、広く周知に努めてまいります。  次に、市町村の補助制度の創設については、従来から会議等の機会を捉えて働きかけをしたところ、今年度、岡崎市をはじめ三市で補助制度が創設され、また、複数の市で創設を検討中と聞いており、今般、県が市町村と協調した補助制度を創設することを契機に、補助制度の創設の後押しをより一層進めていきたいと考えております。特に沿岸部など強風による影響を受けやすい住宅地を多く抱える市町村に対しては、職員が直接出向いて、補助制度創設について積極的に呼びかけをしてまいります。  今後も、一般の方に御理解いただき、市町村や関係団体と連携を深めていくことなど、瓦屋根の安全性向上につながる取組を進め、県民の皆様の安全・安心な生活の実現を目指してまいります。 35: ◯防災安全局長坂田一亮君) 災害時の燃料確保に係る取組のうち、愛知県石油商業組合との連携強化の取組についてお答えをいたします。  東日本大震災や二〇一九年の房総半島台風、東日本台風では、病院、警察、消防等の重要施設で燃料が不足するなど、災害時の燃料確保は大きな課題となりました。  こうした状況を踏まえ、二〇二〇年の国の防災基本計画において、地方公共団体は燃料についてあらかじめ石油販売業者との優先供給について協定の締結を推進するとの文言が盛り込まれ、愛知県地域防災計画においても石油燃料の優先供給に向けた協定締結の推進を明記し、地域全体で災害時における石油燃料の優先確保に取り組むこととしております。  また、県では、それ以前から、災害発生直後に必要となる石油燃料の確保に取り組んでおり、愛知県石油商業組合とは二〇〇五年に緊急車両や重要施設への石油燃料の優先供給に関して協定を締結し、また、二〇一六年にはJAグループ愛知とも同様の協定を締結しているところであります。さらに二〇一五年には、県と愛知県石油商業組合との間で備蓄石油類燃料の供給等に関する協定を締結いたしまして、傘下の中核給油所等に緊急車両や重要施設のための石油燃料の一定量の備蓄分を確保しております。  災害時の応急対策活動を迅速に行う上では、地域全体で石油燃料の確保に取り組むことは極めて重要であります。県といたしましては、石油商業組合など地域の石油販売業者と引き続き緊密な連携を図るとともに、災害時の協定と平時からの官公需調達の一体的な取組についても、他の都道府県の取組等を参考に研究をしてまいります。  また、市町村に対しても、これらの団体、事業者との石油燃料の優先供給協定の締結を働きかけるなど、一層の連携強化を促してまいります。  次に、石油燃料のより確実な確保に向けた取組についてお答えをいたします。  ただいま答弁させていただきましたとおり、発災直後の応急対応のためには、まずは県内での石油燃料調達が基本であり、県では愛知県石油商業組合などとの連携強化に努めているところであります。  しかしながら、南海トラフ地震のような大規模災害時には、販売業者も被災するなど、協定に基づく石油燃料の供給が機能しないおそれもあります。  このような場合に備え、国においては、石油備蓄法に基づき、発災時には、石油精製・元売各社が相互に連携して石油燃料を安定的に確保し、供給する体制が取られることになっております。  具体的には、都道府県災害対策本部から国への緊急要請を受け、石油連盟が会員である石油精製・元売会社と調整をし、直接、病院、警察、消防等の重要施設に燃料を供給することになります。  県では、この体制が円滑に運用できるよう、重要施設の燃料タンク設置場所、油種、給油口の規格などに関する設備情報を平時から石油連盟との間で共有するとともに、石油連盟が主催する図上訓練に毎年参加をしております。また、石油連盟では、おおむね三年で各県が一巡するよう実動訓練を継続的に実施しておりまして、今年度は、九月に名古屋市中川消防署を会場に、大型タンクローリーからの燃料供給の一連の手順を確認する訓練が実施され、この訓練にも参加をいたしております。  災害応急対策活動に対応する緊急車両や重要施設に確実に石油燃料が供給され、十分な機能が発揮できるよう、引き続き燃料確保に万全を期してまいります。 36: ◯副議長(佐藤一志君) 以上で一般質問を終結いたします。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第二 第五十号議案令和四年度愛知県一般会計補正       予算から第七十二号議案損害賠償の額の決定       及び和解についてまで 37: ◯副議長(佐藤一志君) 次に、第五十号議案令和四年度愛知県一般会計補正予算から第七十二号議案損害賠償の額の決定及び和解についてまでを一括議題として、これに対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  政木りか議員。 38: ◯三十一番(政木りか君) 令和五年二月定例愛知県議会議案(二)のうち、第一区分の第六十一号議案工事請負契約の締結、工事名、明和高等学校校舎等建築工事について御質問いたします。  私の地元東区にある明和高校は、明治三十二年に創立された伝統校で、昭和二十五年度には音楽科が新設されました。  今回建て替えの対象となっている教室棟については、昭和三十三年度に建築された建物で築六十年以上が経過していることから、築八十年まで使用するための長寿命化改修工事を行うにふさわしいかどうか、県立学校施設長寿命化計画に基づきコンクリート圧縮強度調査を実施した結果、長寿命化にはなじまないことが判明したため、建て替えることとされました。  そして、県立学校施設整備では初めてとなる設計・施工一括発注方式、いわゆるデザインビルド方式を活用して建て替えを進めることとして、二〇二二年度の当初予算にはその請負業者の選定に要する事業費が計上されました。  その後、今年度四月に、中高一貫教育導入校の候補校に明和高校が選ばれ、七月には、第一次導入校として、明和高校をはじめ、津島高校、半田高校、刈谷高校の四校を決定し、併設中学校の設置に要する関連事業費が九月補正予算に計上されたところであります。  この第一次中高一貫教育導入校の四校のうち、明和高校は他の三校と異なる点が三点あります。  一点目は、明和高校以外の津島高校、半田高校、刈谷高校の三校では同校の普通科への進学を前提とした中学校を一学年に二学級設置するのに対して、明和高校は県内の県立高校で唯一音楽科を有することから、併設中学校にも音楽コースを一学年に一学級加えて設置することとしたことです。公立の中高一貫教育校の中学校で専門的に音楽を学べる音楽コースを設置するのは全国初となります。  二点目は、明和高校以外の三校の敷地面積は約五万から約七万平方メートルであるのに対して、明和高校の敷地面積は約三万四千平方メートルと狭く、併設中学校用の校舎を新築するスペースを確保することが困難であるということです。  三点目は、明和高校では、もともと高校の教室棟をデザインビルド方式により建て替えることとなっていたため、その建て替えと併設中学校の設置との調整を図りつつ、効率的に設計、施工する必要があることです。これらを踏まえて、明和高校では、もともと建て替えることとなっていた高校の教室棟に併設中学校分の面積を上乗せして新教室棟を新築するとともに、現在、高校の音楽科のレッスン室等がある老朽化した西館を建て替えて音楽関連の教室を集約した音楽棟を新築することになりました。また、現在、明和高校には音楽ホールがないため、音楽室程度の広さの演奏室において、合奏、合唱の授業や実技試験の練習等を行っていますが、音楽科のある全国の公立高校二十二校のうち、県内では唯一、名古屋市立菊里高校のみ百二十人程度収容の音楽ホールが設置されており、他県では十三校に音楽ホールが設置されています。このため、併設中学校において音楽コースを設置することを機に、広い空間での演奏技術を学べるよう、音楽科の高校生、中学生とその保護者が一同に利用できる収容定員三百人程度の音楽ホールを音楽棟の中に設けることになりました。  このように、併設中学校の設置に合わせて、明和高校の既存の施設も魅力ある施設に生まれ変わることができることを私も大変うれしく思っております。  今議会に提出された明和高等学校校舎等建築工事の契約議案については、今年度当初の段階では高校の教室棟の建て替えのみでありましたが、併設中学校の設置に伴い新教室棟の面積が増加することや、併設中学校用の小体育館の新築、また、音楽ホールやレッスン室等の音楽関連の教室を集約した音楽棟の新築が加わることとなったため、延べ約一万千平方メートル、請負契約金額は約七十億円近くに上る非常に大規模な契約議案となったものであり、請負契約者の選定に至った経緯等を明確にする必要があると考えます。  そこでお伺いいたします。  明和高等学校校舎等建築工事の契約に当たり、設計・施工一括方式、デザインビルド方式において、どのように請負契約者を決定したのかお伺いいたします。  また、設計・施工一括方式のデザインビルド方式にしたことにより、どのようなメリットがあったのかお伺いいたします。 39: ◯教育長飯田靖君) 明和高等学校校舎等建築工事についてのお尋ねのうち、初めに請負契約者の決定方法についてお答えをいたします。  請負契約者の決定に当たりましては、入札参加者から提出をされた入札価格及び技術提案書に基づきまして、入札価格を三十点、技術提案七十点、合計百点満点で採点をいたしまして、最も評価点の高い者を落札者とする総合評価落札方式を採用いたしました。  採点に当たりましては、建築関係の大学教授など三名で構成をいたします総合評価審査委員会を設置いたしまして、技術提案書の審査に加えまして、入札参加者に対する対面での質疑も実施をいたしました。  審査項目につきましては、設計全体のコンセプト、施工スケジュールや教室の配置のほか、災害時の避難経路やユニバーサルデザイン及び環境への配慮、また、工事期間中の安全対策など、あらかじめ審査委員会で定めました三十八の審査項目ごとに三名の委員が四段階で評価を行いました。  なお、この審査項目と項目ごとの配点につきましては、事前に入札参加者に示すとともに、採点結果や委員による講評等につきましても公表をしておりまして、審査内容の明確化と透明性は確保できているものと考えております。  次に、デザインビルド方式としたことによるメリットについてでございます。  デザインビルド方式では、工期の短縮と事業費の縮減を図ることができることが利点でございます。さらに、入札参加者から技術提案を受けて、生徒にとっても魅力のある施設となっております。  例えば、新教室棟につきましては、校舎の南側に教室、北側に廊下を設ける標準的な配置の六階建てを想定しておりましたけれども、今回の技術提案では、校舎の中央部に廊下を設け、その南北両方に教室を配置することで四階建てとなります。そして、教室と中廊下の間は開放可能な間仕切りとすることで、中廊下を取り込んだ大空間の多目的スペースを設けることも可能な、これまでの県立高校にはない特徴的なデザインとなっております。  音楽棟におきましては、建物内部に配置をいたしますレッスン室が暗くならないように吹き抜け部分を設けまして自然光を取り入れるとともに、遮音性のあるガラスを用いた扉によりまして、生徒たちにとって明るい教室環境となります。  今後は、建てつけ家具の配置場所をはじめとしました内装の仕上げや、音楽ホールの舞台の形状といった詳細部分につきまして、明和高校の教職員や音楽の専門家の意見も取り入れながら、さらに利用しやすいものとなるようブラッシュアップをすることで、子供たちの個性と可能性を引き出し、伸び伸びと学ぶことのできる校舎としてまいります。 40: ◯副議長(佐藤一志君) 以上で、ただいま議題となっております議案に対する質問を終結いたします。        ───────────── 41: ◯四十番(南部文宏君) ただいま議題となっております議案は、審査のため、それぞれ所管の常任委員会に付託されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 42: ◯副議長(佐藤一志君) 南部文宏議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 43: ◯副議長(佐藤一志君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております議案は、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。  なお、議案付託表は議席に配付いたしました。        ─────────────      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第三 第一号議案令和五年度愛知県一般会計予算 44: ◯副議長(佐藤一志君) 次に、第一号議案令和五年度愛知県一般会計予算を議題といたします。  この際、第一号議案令和五年度愛知県一般会計予算のうち、第一条中歳出第一款議会費から第四款福祉医療費までの質問を許します。  質問に際しましては、款項を明らかにして発言されるようお願いいたします。  通告により質問を許可いたします。  朝日将貴議員。 45: ◯四番(朝日将貴君) 私からは、歳出第二款総務企画費第六項防災安全費のうち、ゼロメートル地帯広域防災拠点整備費についてお伺いをいたします。  間もなく、未曽有の被害をもたらした東日本大震災の発生から十二年を迎えようとしております。改めて、自然の脅威と防災対策の重要性を再認識するところであります。  私の地元弥富市を含め、海抜ゼロメーター以下地帯では、南海トラフ地震が発生した際、広範囲にわたり浸水被害が危惧され、浸水区域に取り残された人々の迅速な救助、救出が大変重要であります。  また、伊勢湾台風の例からも、浸水が長期間に及ぶことも想定されるため、広域的な避難についてもあらかじめ検討しておく必要があります。  こうした災害対応を実現するためには、市町村や防災関係機関と連携を図り、住民の避難や救出・救助活動を円滑に実施することで被害の軽減につながるものと考えております。
     そこで、県内四か所において広域防災活動拠点の整備が進められており、三点についてお伺いをいたします。  まず初めに、木曽三川下流域の一か所目、愛西市の拠点が県内第一号として今月十八日に供用開始の運びと伺っておりますが、改めて、ゼロメーター地帯の広域防災活動拠点の目的や役割について、広域避難の観点からもお伺いをいたします。  次に、南海トラフ地震はいつ発生してもおかしくありません。仮に供用開始の直後に南海トラフ地震が発生したとしても、すぐにでもこの広域防災活動拠点の機能が十分に発揮されるよう、万全の体制にしておかなければなりません。県職員をはじめ、防災活動拠点において災害対応する全ての人々が、その役割、その機能をしっかり理解しておき、いざというときに迅速かつ適切に行動できるようにしておく必要があります。そのためには、日頃から訓練を実施しておくことが不可欠であると考えます。  そこでお尋ねします。  愛西市の広域防災活動拠点の開所式の後、運用訓練が予定されていると思うが、その目的と内容についてお伺いをいたします。  最後に、残りの三か所の防災活動拠点についても触れたいと思います。  まず、西三河南部地域の西尾市行用町では、二〇一八年度に整備が決定された後、敷地造成工事が進められていると承知をしております。また、木曽三川下流域の二か所目は、地元弥富市、海南こどもの国を二〇二〇年度に選定し、東三河南部地域の豊橋市の国道二十三号豊川橋料金所跡地を昨年十二月に選定したことにより、県内全域について整備場所の決定に至っております。  最後に、残りの三か所の防災活動拠点の進捗状況と今後の予定についてお尋ねをいたします。 46: ◯防災安全局長坂田一亮君) ゼロメートル地帯広域防災活動拠点の目的や役割についてお答えをいたします。  国内最大のゼロメートル地帯を有する本県においては、南海トラフ地震など大規模地震が発生した際、津波や堤防沈下などによる長期間かつ広範囲な浸水から県民の生命を守るための広域防災活動拠点の整備を県内四か所で進めております。  この拠点では、浸水区域に残された方をボートやヘリコプターにより迅速に救助し、救助された方を大型ヘリコプターで浸水区域外の中継拠点へ搬送、さらには、近隣の受入れ市町村に開設される避難所までの広域避難につなげる役割を担っております。  こうした広域避難を円滑に実施するためには、避難元市町村と避難先市町村とのマッチングが課題となります。  現在、ゼロメートル地帯を有する海部地域を含む十四市町村の間で二〇一七年度に締結された愛知県西尾張市町村の災害対応に関する相互応援協定の枠組みの中で、マッチングの検討とともに、広域防災活動拠点の活用を含めた広域避難の在り方について、県も参加して検討を進めているところでございます。  また、先月には、県とバス協会も参加した広域避難に係る図上訓練を実施し、具体的な手順を確認したところであります。  引き続き、ゼロメートル地帯広域防災活動拠点を活用した円滑な救出・救助活動と広域的な避難が可能となるよう取組を推進してまいります。  次に、三月十八日に愛西市に開所する広域防災活動拠点の開所当日に行う運用訓練についてお答えをいたします。  この訓練は、防災拠点の供用開始を機に、県及び愛西市に加えて、自衛隊、消防、県警察などの防災関係機関にも御参加をいただき実施するものでございます。南海トラフ地震に伴う大規模な浸水被害を想定し、愛西市消防本部による拠点の立ち上げから、県、愛西市、愛西市自主防災会が協力して行う救出者の受入れまでをマニュアルに沿って、実際に円滑な運用が可能か確認することを目的としております。  また、市消防本部と消防団による救出用ボートを使った救助訓練や、陸上自衛隊、第四管区海上保安本部、県警察によりヘリコプターで救出した方を搬送する訓練も実施いたします。  今後も、こうした訓練を積み重ねながら、拠点の円滑な運用に向けて不断の改善を図り、広大なゼロメートル地帯を有する海部地域の住民の方々の災害時における安全・安心の確保に取り組んでまいります。  愛西市以外の残りの三か所の防災活動拠点の進捗状況と今後の予定についてお答えをいたします。  まず、西三河南部地域、西尾市行用町地内の拠点については、現在、盛土造成工事を実施しており、来年度、防災倉庫の建築工事を進め、二〇二四年度内の供用開始を目指しております。  木曽三川下流域二か所目、海南こどもの国内で整備予定の拠点につきましては、今年度、基本設計を進めており、具体的な整備位置や軟弱地盤に対する対策工法、構造などについて検討をしておるところでございます。来年度は、この基本設計を踏まえ実施設計を進め、具体的な工法、整備スケジュールなどについて検討を進めてまいります。  最後に、東三河南部地域に予定している拠点については、昨年十二月、国道二十三号豊川橋料金所跡地で整備していくことを決定いたしました。来年度は、事業予定地の用地測量、地盤解析などの基本設計を進めてまいります。その後、国から事業用地の譲渡を受けるための手続を進め、防災倉庫を整備する予定としております。  ゼロメートル地帯の住民の安全・安心を早期に確保するため、一日も早い拠点整備に取り組んでまいります。 47: ◯四番(朝日将貴君) 一点、要望させていただきたいと思います。  広域避難を含め、事業の進捗を御説明いただきました。ありがとうございます。  その中で、弥富市内において、来年度、実施設計を進めるということでありました。海南こどもの国でありますが、ここは大変多くの御来場がふだんからある上、金魚日本一大会や弥富市の秋まつりなど、大変多くの人が一度に集まる場面もあります。そういったときには駐車場が不足することも度々起こっております。この防災活動拠点の整備に当たって、駐車場が減らないよう御配慮いただきますように要望いたしまして、質問を終わります。 48: ◯副議長(佐藤一志君) 進行いたします。  小木曽史人議員。 49: ◯一番(小木曽史人君) 私からは、歳出第四款福祉医療費第一項福祉総務費のうち、生活困窮者対策事業費の自立支援事業費について、コロナ禍という大きな変化を経て浮き彫りとなった課題、これから事業を実施する上で留意する点を中心にお伺いをしていきたいと思います。  三年間のコロナ禍を経て、五月八日以降は感染症法上の位置づけを五類とする国の方針が明確になって、コロナ禍前の日常を取り戻す明るい兆しを感じる反面、徐々に新型コロナウイルス感染症対策と銘打ったセーフティネットが解除される懸念もあり、そういった意味では、生活困窮者自立支援事業はまさにこれからが正念場を迎えるとも言えるのではないでしょうか。  そもそも本事業は、御存じのとおり、生活保護を受給している世帯の四人に一人が生活保護受給世帯出身という、いわゆる貧困の連鎖、ひきこもりの増加や懸念される八〇五〇問題を背景に、その負の連鎖を断ち切るのに併せ、生活保護の状態に至る前の段階で自立的に生活を立て直すようサポートすることを目的としております。  愛知県としても、コロナ禍前から国の支援メニューに沿って、経済的支援もさることながら、個別の自立相談支援を中心に、就労支援、家計再建支援、子供支援などの生活再建サポートを、地域の関係機関やほかの制度による支援との連携を取りつつ推進してきていると認識をしております。  私はこれまでも度々議会の場でこの問題を取り上げ、例えば、福祉事務所を設置していない町村部の自立相談支援は県が包括的な窓口を担っており、特に海部福祉相談センター管内では生活保護受給者が高止まっている一方、自立支援事業としての新規相談件数は低水準であり、仕組みがうまく機能していないのではないか、さらなる生活困窮者の掘り起こしと実効的な支援の在り方を検討すべきではないかという問題提起をしてまいりました。  そんな中でのコロナショック。例えば飲食業をはじめとする人との接触が不可欠なサービス業の多くが廃業や休業、事業縮小に追い込まれ、結果、多くの人が雇い止めや離職を余儀なくされました。  それに対し、国は緊急対策として、一律十万円の特別定額給付金の支給、雇用調整助成金の拡充など特別な経済的支援のほか、生活困窮者対策として、いわゆる生活福祉資金貸付け、住居確保給付金という現金給付制度の要件を緩和して対応。以降、コロナ禍の状況に合わせて都度延長され、加えて、新たな制度として新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の交付といった支援がなされ、現在に至るわけです。  ここで、生活困窮者対策としての経済的支援について、愛知県での実績データを御紹介します。  まず、生活福祉資金の特例貸付けの決定件数です。コロナ禍前の令和元年は年間七百九十二件、要件緩和で令和二年は八万四千六十七件、令和三年は六万三千二十四件と激増し、直近の昨年、令和四年でも一万二千二百九十二件と、コロナ禍前と比べて約十五倍に上っています。  また、長期化するコロナ禍の影響を補完する形で、令和三年七月から支給申請が開始された、先ほど申し上げましたが、新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の支給決定件数はといえば、本年一月末時点で初回支給と再支給を合わせて一万千六百二十九件にも上っております。  生活福祉資金の特例貸付けの受付は昨年九月末で終了。実際のお金の貸付けは十二月分まで。そして、生活困窮者自立支援金の支給が、再支給も含めて、受付は昨年十二月末で終了。実際のお金の支給は今月までという制度になっています。  つまり、来月に迫った二〇二三年度からは、こうした手厚い経済的支援がなくなるわけです。就労して自立した生活を送るにはまだまだ時間がかかる生活困窮者が多数取り残されることは容易に想像できますし、先ほど申し上げたコロナ禍前後でさほど変わらない生活保護受給者数がこれから増加していく可能性も否定できません。  しかしながら、こうも考えられます。これまで地域社会からの孤立に伴う情報遮断や行政機関に相談するという心理的な抵抗感で相談に行けなかった潜在化していた生活困窮者が、先ほど来、るる述べてきた国のコロナ対策としての経済的支援が呼び水となり、皮肉にも浮き彫りになった、これまで把握しにくく掘り起こしが困難だった生活困窮者が可視化されたわけです。  こう考えてみると、来年度の生活困窮者の自立支援事業は一つの大きな節目とも言えるタイミングを迎えるとも言えます。  コロナ禍前、コロナ禍、そして、今現在の可視化されたこの状況を冷静に分析、認識しつつ、これまでの支援の実態を把握し、これからの迅速かつ的確な実効的支援につなげるよう取り組んでいかなくてはなりません。  そこでお伺いをいたします。  これまで申し上げてきた現状を踏まえ、来年度以降、県として、生活困窮者自立支援にどう向き合い取り組んでいくのかお聞かせください。  そして、可視化された生活困窮者を自立支援につなげるために重要な役割を担うと思われるのがアウトリーチ支援員です。  アウトリーチ支援員は、地域に潜在している生活困窮者、関係機関から情報提供のあった支援対象者に積極的にアプローチすることで、当事者が抱える生活再建の課題を見える化し、適切な自立支援制度、他機関、他制度につなぐことを目的として配置されております。  福祉事務所を持たない町村部の県所管福祉センターにも令和二年度以降配置されておりますが、ちょうどコロナ禍直後からの配置で、訪問、面着での聞き取りや同行支援など、丁寧な支援の実施が困難であったのではないかと推察できます。  ただ、来年度以降は、せっかく可視化された生活困窮者を一人でも多く拾い上げ、具体的なアプローチの下で実効的な支援につなげる取組がこのアウトリーチ支援員に期待されると考えます。  そこでお伺いをいたします。  コロナ禍で、アウトリーチ支援員はどういった活動を実施して生活困窮者を把握し救済に導いてきたのか。現状分析とその評価、課題認識も踏まえつつ、来年度の取組の方向性についてお聞かせください。  以上です。 50: ◯福祉局長橋本礼子君) 生活困窮者の自立支援についてお答えします。  コロナ禍における各種の生活支援策が実施される中、例えば収入の減少や失業等により生活困窮となった世帯を対象といたします生活福祉資金の特例貸付けは、県内で九万二千世帯を超える利用がございました。  こうした方の中には、生活が苦しいものの、これまで行政の支援を受けることのなかった方も相当数あり、貸付けを契機に行政の支援窓口につながったということにもなります。  既に生活の立て直しの方向に向かった方もおられますが、立て直し途上にある方々に対しましては、自立相談支援機関を御案内し、必要な支援を必要な方に確実にお届けできるよう、継続的な支援を実施したいと考えております。  次に、アウトリーチ支援員についてであります。  県では、町村部を対象といたしまして、生活にお困りで支援を必要とする方を自ら出向いて掘り起こし、自立相談支援機関につなぐアウトリーチ支援員を福祉相談センターに配置しております。  事業開始いたしました二〇二〇年度は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、アウトリーチ支援員が把握した生活にお困りの方は延べ二百八十二人にとどまりましたが、翌二〇二一年度は延べ八百四十八人に増加しております。  この中には、長年ひきこもり生活をしていた方で、他機関からの情報提供を受け、アウトリーチ支援員が関わることによりまして、面談を通じて信頼関係を構築し、医療機関への受診や障害福祉サービスの利用につながったというケースもあり、一定の効果を上げているものと認識しております。  一方で、御本人からの支援要請がない状態で接触を開始することになりますので、信頼関係が構築されるまでに時間がかかるなど、課題があると感じております。  県といたしましては、引き続き市町村や支援団体等、関係機関との連携強化に取り組むとともに、アウトリーチ支援員を来年度一名増員いたしまして体制を強化することで、自ら相談窓口に来られない生活にお困りの方が必要な支援を受けられるよう環境整備を進めてまいりたいと考えております。 51: ◯一番(小木曽史人君) 御答弁ありがとうございました。  では、要望をして質問を閉じたいと思います。  アウトリーチ支援員を来年度一名増員して体制を強化するとの御答弁でしたが、これは恐らく、本年度までは尾張福祉相談センターと海部福祉相談センターの兼任一名を来年度からそれぞれ各センターに一名専任で配置するということで理解をしております。  可視化された生活困窮者を再び埋もれさせないよう、しっかりとサポートして引き揚げ、現実的な自立に結びつけていただくよう期待したいと思います。  ただ、例えば地元の海部福祉相談センターは津島市にあり、所管する蟹江町、大治町、飛島村の各町村まではいずれも片道三十分ほどかかることから、そこに配置されたアウトリーチ支援員では対応できる件数が限られてしまい、より身近なところからの継続的な支援が実施できるのか。先ほどおっしゃられた信頼関係の醸成に時間がかかるといった課題に対して、いわゆるこの物理的な距離感が起因しているのではないかということもあったように思われます。  また、自立支援事業メニューの中に就労準備支援事業、これは、ひきこもりや八〇五〇問題が懸念される今は、すぐに就労とまではいかない方に社会に慣れてもらうためのサポートをするという事業でございますけれども、そういった方たちの就労体験先の開拓とか実際の就労先とのマッチングについては、たとえ専任になってもアウトリーチ支援員単独で行うことは大変難しいのではないかと思います。  まずは、地域の自治体や自立支援に関わる既存事業者としっかり連携を図りつつだとは思いますけれども、より効果的、効率的な支援という観点から、地域に根差した独自の情報ソースと構築した人間関係、関係機関とのパイプを持っている、例えば地域の就労準備支援事業を受託している事業者にアウトリーチ支援事業も一体として委託するなどの可能性も念頭に置きつつ、来年度事業を実施していただくことを要望し、質問を終わります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 52: ◯四十一番(山田たかお君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 53: ◯副議長(佐藤一志君) 山田たかお議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 54: ◯副議長(佐藤一志君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後二時四十三分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時三十分開議 55: ◯議長須崎かん君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  中村竜彦議員。 56: ◯五番(中村竜彦君) 私からは、歳出第二款総務企画費第一項政策企画費第三目国際交流費のうち、愛知の産業グローバル化を支える留学生受入事業費補助金についてお伺いをいたします。  愛知県留学生交流推進協議会によると、令和四年五月一日現在で、中国、韓国、ベトナム、インドネシアなど、アジアを中心に五千七百人もの留学生が県内の大学及び大学院などで就学をしております。留学生の中には、高度な専門知識を持ち、母国語に加えて英語も話せる学生もおり、留学期間中に日本語及び日本の生活習慣にも慣れることができることから、県内の企業への就職後の高い適応力が見込まれ、本県に集積するモノづくり産業を支える高度人材として活躍することが期待されております。  県の調査では、二〇一六年には、七割の学生が日本での就職を希望しているものの、実際には就職率は三割程度にとどまっており、留学生の就職活動の知識不足、企業における留学生の採用メリットの認識不足、企業と留学生の接触機会の不足などが彼らの就職率を低くとどめている要因であることが分かりました。  これらを踏まえて、産官学連携での取組を進めた結果、県内留学生の国内就職率は年々上昇し、二〇一九年には四三%まで上昇しております。  先日、二月二十五日に愛知県産業労働センターにおいて、あいち外国人留学生フェスタが開催をされました。このイベントでは、留学生の採用を希望する県内企業を紹介する留学生積極採用企業ジョブフェアをはじめ、地域の学生との交流や文化体験など、広く留学生に本県の魅力を発信し、地域への定着をつなげるための内容となっておりまして、約三十社の県内企業が参加をし、多くの留学生でにぎわったと伺っております。  こうした取組は、本県の魅力を留学生に知ってもらうとともに、県内企業への就職を希望する留学生と外国人高度人材を求める県内企業の双方にとって大変意義深いものであると思います。  県内の留学生からは、愛知県には小さな頃から慣れ親しんだトヨタをはじめとした自動車関連メーカーが多く、そういった企業に就職をすれば自分自身が専攻している分野の知識を生かすことができると思って愛知県への留学を決めたというように、モノづくり地域としての魅力に引かれたという声も多く聞かれるようであります。  また、県内の大学関係者からは、近年、デジタル技術等の技術革新が進展する中で、本県産業においても、アジア圏内に限らず、欧米を含めて、広く世界各地の優秀な人材を受け入れることが今まで以上に重要になっているとの意見もあり、特定の地域にこだわらず、世界の幅広い地域から留学生の受入れが必要との認識も高くなっております。  急速に少子・高齢化が進む中、移民をどんどん受け入れろということではなくて、時代や世界を転換させるようなイノベーションを起こし得る人材を世界から集めて、日本の優秀な人材と共に新たなものを生み出し、一人当たりの生産性を上げていくことで、当面は避けられない人口減少と労働力不足をカバーしていくべきでありまして、産業集積地である愛知県として重要な課題であると考えます。  そこでお尋ねをいたします。  県内企業への就職を目指す留学生向けの奨学金制度の名称を新年度から愛知の産業グローバル化を支える留学生受入事業費補助金へと変更することとした背景と変更点について、また、この事業のどのような特徴に期待しているのかについてお伺いをいたします。 57: ◯政策企画局長(沼澤弘平君) 二〇一三年度に事業を開始した愛知のものづくりを支える留学生受入事業につきましては、世界有数の本県のモノづくり産業を支える人材を輩出するため、県内企業が多数進出するアジア諸国から技術系を基本として優秀な留学生を受け入れてまいりました。  近年、技術革新や産業構造の変化が進展する中、当事業においても、専攻分野や就職先について、モノづくり産業を幅広く捉えるなど柔軟に対応してまいりました。  しかしながら、応募者側が要綱等に記された事業の名称や専攻分野を重視することにより、応募そのものを断念しているという面もございました。  このため、産業界のニーズの変化を踏まえ、広く本県の産業グローバル化に資する優秀な留学生をより多く確保するため、受入れ対象国について、アジア諸国から欧米を含めた全世界に拡大することといたしました。  また、専攻分野につきましては、製造業をイメージさせるモノづくりを支える分野から情報系など幅広い分野を含む産業グローバル化を支える分野へ変更することとし、名称を愛知の産業グローバル化を支える留学生受入事業に見直すことといたしました。  当事業は、奨学金として渡航費、学費、滞在費を支給するものであり、応募時に卒業後は本県企業に就職する意思を示してもらい、その実現に向けてインターンシップをプログラムに取り込むなど、産学行政が連携して就職支援を積極的に行っていくというものでございます。  今後とも、特に優秀な人材を本県が留学生として受け入れ、県内の大学院での修学終了後に本県企業への就職を促すことにより、当地域を支える外国人の高度人材の集積を図ってまいります。
    58: ◯議長須崎かん君) 進行いたします。  市川英男議員。 59: ◯五十一番(市川英男君) 私からは、歳出第四款福祉医療費第九項医薬費第二目医務費のうち、広域災害救急医療情報システム運営費についてお伺いいたします。  本県では、インターネットを通して収集した医療機関の情報を災害時に行政機関や災害拠点病院等の関係機関と共有し活用できるよう、また、平時において、県民が二十四時間三百六十五日、症状に応じた診療可能な医療機関の情報を入手できるよう、広域災害救急医療情報システムが構築されております。  また、このシステムを活用し、医療機関が登録した診療応需情報を収集し、県民に対して休日や夜間などに診療可能な医療機関を案内する愛知県救急医療情報センターが愛知県医師会によって運営されています。  愛知県救急医療情報センターでは、一九八一年四月から、県内全域を対象にオペレーターによる医療機関の案内を二十四時間三百六十五日体制で四十年以上にわたり実施しており、年間の案内件数は約十万件以上、累計の案内件数は五百万件以上になるとお聞きしています。  また、二〇二〇年十月からは、新型コロナウイルスへの感染を心配する発熱等の症状がある県民に対して、診療・検査医療機関の案内も行っています。休日や深夜などは診療している医療機関は限られており、そのようなときに急な病気やけがをしてしまった場合、その症状に対応できる近くの医療機関を自分で見つけるのは大変難しく、オペレーターによる医療機関案内は有意義なことだと思いますが、医師や看護師等の専門家に医療相談を行うことはできません。  ここで、国が全国展開を進めている救急安心センター事業を紹介したいと存じます。  救急安心センター事業は、県民が急な病気やけがをされたときに、全国統一の短縮番号、シャープ七一一九に電話することにより、救急車を呼んだほうがいいのか、今すぐ病院に行ったほうがいいのかなど、迷った際の相談窓口として、医師、看護師等の専門家からアドバイスを受けることができる仕組みであります。  相談窓口では、相談を通じて病気やけがの症状を把握した上で救急相談と適切な医療機関案内を行う事業であり、救急車の適正利用を推進することなどを目的として総務省消防庁が中心となって取組を進めているところであります。  救急相談では、直ちに医療機関を受診すべきか、明日でもよいのか等の緊急性のほか、応急手当ての方法や救急車を要請すべきか、自分で医療機関に行くことができるのか等の受診手段についてのアドバイスを受けることが可能です。  この救急安心センター事業の全国の実施状況ですが、二〇〇七年に東京都で運用が開始されて以来、県内全域を対象に実施している地域が埼玉県や福岡県をはじめ十三地域、県内の一部を対象としている地域が横浜市や岐阜市周辺をはじめ六地域であり、全国十九地域で実施されています。また、実施している地域に居住する人口は五千九百九十七万人で、人口カバー率は四七・五%に及んでおり、全国の約半数の方はシャープ七一一九に電話をかければ専門家による相談を受けることができる状況であります。  また、総務省消防庁が取りまとめた資料によりますと、救急安心センター事業を実施している大阪市消防局が実施したアンケートでは、利用者の約九割が大変役に立った、ある程度役に立ったと回答しており、県民への安心・安全を提供できるものであることが紹介されております。  さらに、事業の効果としまして、総務省消防庁が主な目的としている救急車の適正利用の観点からは、新型コロナウイルス感染症の影響により救急搬送困難事案が増加している中、不急の救急出動の抑制効果が期待されており、消防部局が主体となって事業を実施している地域も多くあります。特に消防機関が実施主体となっている地域においては、相談の結果、緊急性が高いと判断された場合、相談員から直ちに一一九番に転送する仕組みが構築されており、素早い対応が可能となっています。本県でも、相談者が一一九番にかけ直すことなく、直ちに消防本部につながる体制を構築することが県民の安心・安全にもつながるのではないでしょうか。  ほかにも、救急医療機関の受診の適正化による医療機関における時間外受付者数の減少や人生百年時代に向けたリスクの高い高齢者の増加への対応など、時代の変化への的確な対応、感染リスクとなる不必要な外来受診、外出の抑制による重症化防止など、新型コロナウイルス感染症対策など様々な効果が上げられています。  このように、救急安心センター事業は非常に有益な事業であると考えられ、本県におきましても、愛知県救急医療情報センターが行っている医療機関の案内に加え、医師、看護師等の専門家による救急相談の実施に向けて検討すべきであると考えます。  そこでお伺いします。  本県においても、消防部局と医療部局が連携して救急安心センター事業を早急に導入すべきと考えます。これまでの検討状況と今後の見通しをお伺いいたします。 60: ◯保健医療局長吉田宏君) 救急安心センター事業についてお答えいたします。  救急安心センターは、救急車の適正利用や救急医療機関の受診の適正化にもつながる大変有用な取組でございます。  そこで、保健医療局では、防災安全局と共に、消防機関や愛知県医師会など関係機関にも御参加いただき、救急安心センター事業の実施方法について検討してまいりました。  これまでの検討を通じまして、愛知県救急医療情報センターと救急安心センターの役割分担の明確化や、看護師など専門家の人材確保、消防行政を担う市町村との費用分担などが課題として挙げられております。  県では、今後、こうした課題を踏まえまして、既存の医療情報基盤を十分に生かしながら、救急安心センター事業の事業化に向け、調整を加速してまいります。 61: ◯議長須崎かん君) 進行いたします。  廣田勉議員。 62: ◯二番(廣田勉君) それでは、私からは、第二款総務企画費第二項総務管理費第一目一般管理費の行政改革推進事業費及び第七目情報推進費の情報推進事業費から伺いたいと思います。  厳しい財政状況にある昨今、地方公共団体において、簡素で効率的な行財政システムを構築し、自らの行財政運営について透明性を高め、公共サービスの質の維持、向上に向け、積極的な行財政改革に努めることが求められております。  本県でも、二〇一九年に策定されたあいち行革プラン二〇二〇について、環境変化を踏まえて取組を追加、充実させた後半期の取組を進め、引き続き行財政改革を積極的に推進していくことが求められており、その中で、新年度における主な取組として、ICTを活用した業務の合理化、効率化が掲げられております。  今や全国の自治体においてもデジタル化に向けた動きが活発になっておりますが、その目的は多様な幸せが実現できる社会を目指すとされ、目的を達成するために大切なのは、一つ目として、業務の効率化を図ることで職員の負担軽減を図ること、二つ目として、デジタル技術やデータを活用することで質の高い県民サービスを提供することが挙げられております。  一つ目の業務の効率化でいえば、高齢者数がピークを迎える二〇四〇年頃の自治体の在り方について、総務省の自治体戦略二〇四〇構想研究会の提言では、従来の半分の職員でも自治体として本来担うべき機能が発揮でき、量的にも質的にも困難さを増す課題を突破できるような仕組みを構築する必要があると言われ、人口減少がもたらす影響がいかに厳しいか、危機感を持って独自に将来像を描くことが大切と言われております。  その中で、具体的な取組として、AIやRPAを活用した業務の効率化や、さらにはクラウドを活用することで経費を削減させることができると一般的に言われますが、本県では来年度、プログラミング言語の知識を必要とせず、職員自らが簡易なシステムを開発することができるノーコード・ローコードツールを本格導入することとしております。  このように、様々な業務の効率化に向けた取組は、単なる業務のデジタル化ではなく、従来の仕事の進め方や働き方を大きく変えていくものであり、大変重要となります。  また、二つ目の質の高い県民サービスの提供でいえば、例えば電子帳簿保存法が改正されることで事業者におけるデジタル化へ向けた動きはさらに活発化すると言われ、自治体においてもデジタル化へ向けた動きはさらに活発化します。  それぞれの自治体では、地域全体のデジタル化普及に向けて電子データの方式で受け取る体制を整えていくことが必要であり、また、インボイス制度に対応する請求書などの仕組みについてもしっかり理解し構築するなど、キャッシュレスや電子申請、さらには電子入札の積極的な導入を含めた行政手続のオンライン化にも取り組むことが求められるようになるとされております。  さらには、目的達成のために必要とされる業務の効率化や県民サービスの向上を図るデジタル化を進めるためには、通信機器の整備やICT環境に対応できるネットワークの構築など、情報通信基盤の整備が大切だと考えます。  そこで、特に重要とされる業務の効率化という観点からのRPAやノーコード・ローコードツールについて、来年度、どのように取り組まれるのかお伺いしたいと思います。また、それらを支えるネットワークやクラウドを含む情報通信基盤の整備をどのように進めるのか伺いたいと思います。 63: ◯総務局長(江口幸雄君) 初めに、RPAやノーコード・ローコードツールの取組についてお答えいたします。  本県では、RPAを二〇二〇年度から本格導入し、これまでに感染防止対策協力金の交付業務はじめ六十六業務に活用しており、職員の作業時間を一万千五百六時間削減するなどの実績を上げております。  また、ノーコード・ローコードツールにつきましては、議員御指摘のとおり、職員によるシステム作成が容易であるというメリットがございます。今年度は、県民の皆様へのアンケートや県庁内における各種照会の回答集計など二十業務について試行的に導入をしており、作業時間の短縮など、一定の効果が得られました。  こうしたことから、来年度はノーコード・ローコードツールを本格導入し、各局が必要に応じて利用できるようにしてまいりたいと考えております。  今後も、RPAやノーコード・ローコードツールといったICTの積極的な活用を図り、業務の合理化、効率化に取り組んでまいります。  次に、情報通信基盤の整備についてであります。  情報通信基盤の整備につきましては、ウェブ会議やテレワークが拡大する中で、庁内のみではなく県庁外部にも大容量の通信ができること、さらに高速、安全に通信を行えることが重要となってきております。  そこで、来年度は、県庁で使用している現行ネットワークについて、データの大容量化や外部クラウドサービスの利用などにも対応する機能の強化を図るため、高速で柔軟性の高いネットワークによる複数の機器やサービス等を使って、機能・性能面の検証を行う実証実験を行ってまいります。  また、現在、財務システムをはじめ複数システムについては、庁内でサーバーを集約して運用しておりますが、今後、外部のクラウドサービスとの連携等にも柔軟に対応できますよう情報システム基盤を整備していくこととしております。  今後も引き続き行政のデジタル化を迅速に進めることができるよう、それを支える情報通信基盤の整備を着実に進めてまいります。 64: ◯二番(廣田勉君) 答弁をいただきましたので、要望させていただきます。  行政改革の要となる業務の効率化に向けた取組は、人口減少社会において、行政サービスの質や水準を維持するためにも必要不可欠であり、そのための様々なデジタル化に向けた取組は大変有効な手法であると言えます。同時に、将来にわたる適正な定員管理に向けては、職員一人一人の業務量をいま一度洗い出した上で、業務量の把握に努めていただきたいというふうに思います。  また、情報通信基盤の整備についても、御承知のとおり、現在、議会でもデジタル化に向けて積極的に取り組んでいるところでもありますが、行政のデジタル化を進めるためには着実に前進させていくことが重要でありますし、デジタル化が進めば、結果としてペーパーレス化にもつながっていくと思います。  全庁的に業務の効率化に取り組んでいただくとともに、情報通信基盤の整備を図り、県民サービスの充実につなげていただくよう要望し、終わります。 65: ◯議長須崎かん君) 進行いたします。  日高章議員。 66: ◯七番(日高章君) 私からは、歳出第三款県民環境費第五項環境対策費のうち、再生可能エネルギー設備導入支援事業費補助金及び省エネルギー設備等導入支援事業費補助金についてお伺いします。  本県では、昨年十二月に、あいち地球温暖化防止戦略二〇三〇(改定版)を策定し、国と歩調を合わせる形で、二〇三〇年度の温室効果ガスの削減目標を二〇一三年度比でこれまでの二六%減から四六%減に大幅に引き上げるとともに、再生可能エネルギーの設備容量を二〇二一年度の三百三十五万キロワットより一・七倍増加させ、二〇三〇年度に五百八十万キロワットとする目標を新たに掲げました。  また、あわせて、二〇五〇年までの二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すゼロカーボンシティを宣言したところであります。  本県の二〇一九年度の温室効果ガス排出量は、二〇一三年度比で八・一%の減少にとどまっています。このうち産業・業務部門の排出量については、近年は減少傾向にあるものの県全体の六割強と、全国の約五割弱と比べて高い割合を占めており、本県の温室効果ガス排出量を削減する上で同部門の取組は非常に重要であります。  また、県はこれまで個人向けの太陽光発電設備の普及を後押ししてきたことなどから、固定価格買取制度に係る昨年度末時点での住宅用の太陽光発電の導入容量は全国一位となっていますが、事業用の太陽光発電の導入容量は全国第十一位となっており、事業用の再生可能エネルギーの導入には拡大の余地が大きいものと思われます。  このため、県としましては、事業者における再生可能エネルギーや省エネルギー設備の導入等を強力に促進していくことが望まれます。特に温室効果ガス排出量の約四分の一を占める中小企業については、資金等の問題があり、再生可能エネルギー設備の導入や省エネルギー対策が十分進んでいないため、その取組について積極的に支援していく必要があります。  こうした中、本県では、六月補正予算において、国のコロナ禍における原油価格・物価高騰対応分の地方創生臨時交付金を活用した補助制度を創設して、事業者の再生可能エネルギー及び省エネルギー設備の導入や建築物のZEB──ゼロ・エネルギー・ビルのことですが──このZEB化を進めるための支援を開始しており、時宜を得たものと評価しております。  事業者向けのこうした補助金は、より多くの事業者の温室効果ガス削減に向けた取組を後押しできるように継続的に実施することがとても重要であると考えています。  そこでお尋ねいたします。  本年度の再生可能エネルギー・省エネルギー設備等の補助の実施状況はどのようになっており、来年度はどのような内容で実施するのかお伺いします。 67: ◯環境局長(水野達也君) 再生可能エネルギー設備導入支援事業費補助金及び省エネルギー設備等導入支援事業費補助金についてお答えをします。  まず、今年度の事業者向けの再エネ・省エネ設備の導入、建築物のZEB化に対する補助の実施状況につきましては、延べ百十四事業者に対して交付決定を行っており、再エネ設備においては太陽光発電三十三設備、蓄電池六設備が、省エネ設備においては高効率空調機や省エネ型の冷凍冷蔵機など八十三設備が導入され、二棟の建築物がZEB化されました。これによるCO2削減見込み量は合計で年間約六千トンとなっており、一般家庭約千五百世帯分のCO2排出量に相当いたします。  次に、来年度については、国が今年度創設した意欲的な脱炭素の取組を行う地方公共団体を複数年度にわたり継続的かつ包括的に支援する地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を活用して、事業者向けの再エネ・省エネ設備の導入、建築物のZEB化を継続的に支援することとしております。  このうち再エネ設備の補助については、太陽光発電をはじめ、風力発電、蓄電池など、十一種類の設備を対象に支援を行ってまいります。特に中小企業等には、太陽光発電を除いて補助率を大企業より高く設定するなど、手厚く支援いたします。  省エネ設備の補助につきましては、中小企業等を対象に、高効率な空調機や給湯器、コージェネレーションなど五種類の設備に対して、また、建築物のZEB化の補助については、中小企業等と大企業を対象に、ZEB化に必要となる高性能な建材や設備等の導入に対して支援してまいります。  こうした取組を通じて、事業者による再生可能エネルギーの導入拡大と徹底した省エネルギーの実施を積極的に促してまいります。 68: ◯議長須崎かん君) 進行いたします。  松本まもる議員。 69: ◯三番(松本まもる君) 私からは、歳出第四款福祉医療費第三項児童家庭費のうち、少子化対策推進事業費、結婚支援推進事業費についてお尋ねいたします。  先般の報道でありましたように、出生率が八十万人を切ってしまった日本であります。我々の子供の頃は三人兄弟、四人兄弟という方が多かったんですけれども、このままでいけば、この先は、労働人口も含め、モノづくり県であります本県の生産能力はおろか、人流・物流現場も既に人材不足で稼げるのに稼げない状態が長く続いていきます。  人口を増やすには、より多くの人々が結婚され子供をもうけていただくことが一番の近道ではないかと考えます。結婚をすることが全てではありませんけれども、潜在的に結婚願望がある方が、御縁がないだけの理由でチャンスを逃してしまっていることは残念でたまりません。  しかしながら、肝腎の結婚適齢期と言われる年齢が年々上昇し、過去には、男子は何歳くらい、女子は何歳などと他人が勝手に結婚年齢を設定し、ややもすれば、今ではハラスメントにもなりかねない寿退社なる女性は結婚したら会社を辞めるのが当たり前のようなあしき習慣のような風潮が過去にはありました。女性は結婚したら家庭に入り子育てに専念すべきとも言うがごとし世間の流れがあったことは過去否定ができないような気がします。  結果として、女性は結婚したら会社を辞めなければならないと考えれば、なかなか結婚には踏み切れず、気づいたら男性との御縁もなくなってしまった環境になって、そして、もちろんそれは男性も同様でありまして、仕事で忙しく、様々な理由で結婚という人生で大きな節目を迎えるタイミングを逃してここまで来てしまった人もいるはずです。また、意中の人が近くにいても、結局言い出せずに、結婚というゴールを目標に生活しながら、肝腎の伴侶を見つけ出せないまま悶々と日々暮らしている方々はひょっとしたらいらっしゃるのではないかと思います。  その中で、今回、本県の少子化対策の取組で婚活イベントを企画し、本県主催で開催の準備が進められようとしています。この取組は、日本の津々浦々の市町で開催され、いずれの市町も各人口減に少しでも歯止めをかけようと様々な工夫をし、少子化対策の一環として努力をしています。  民間の婚活サイトや、いわゆるカップリングパーティーの企画は数多くありますが、男女間の会費の違いや、いわゆるサクラと呼ばれるような本来関係ないメンバーが参加していたり、実際に参加した方から話を聞くと、なかなか行ったもののうまく話ができなかったという話も聞いております。  そのような中で、愛知県主催というブランド力は強力で、安心して参加できる今回の企画は、待ったなしの少子化対策の最後の切り札と言っても過言ではないと思います。ぜひ成功し、一組でも多くのカップルが成立し、少子化対策に終止符を打っていただきたいと考え、私は個人的ではありますが大賛成です。  いわゆる婚活アプリで結婚相手を探すことをためらわない方々が大勢いる中で、行政がリードし、御縁のきっかけを県の施設でつくることは非常にすばらしい取組だと私は考えます。しかし、肝腎の参加者が気軽に参加してもらえるように工夫も必要だと思います。県としてどのように考えていらっしゃるかお伺いいたします。  また、今回、年齢制限が設定され、婚活パーティーで役に立つセミナーも開催されると聞いております。大切なのは、婚活パーティー後の次のステップのお付き合いの仕方や、ややもすれば、早期に結婚に至ったときの心構えも必要になってくると思います。今までそういった関係に御縁がなかった方々に対し、この企画をきっかけに何度もトライしていただき、理想の御縁にめぐり合っていただくことも必要だと考えますが、国の助成金等がなくなってしまった後も継続してこの事業を続けていく前提なのか、また、今回は初めてのため、様々な課題も浮き上がってくるはずであります。参加者の年齢層やその後の感想など、データ取りをしっかりし、毎回バージョンアップをし続けていかなければならないと私は考えますが、結果のいかんに問わず、今後この企画を継続し、今回の予算をしっかりと今後反映していっていただけるのかお伺いいたします。 70: ◯福祉局長橋本礼子君) 結婚支援の取組についてお答えいたします。  二〇一八年に県が実施いたしました調査では、独身者の八割にはいずれ結婚する意思があるものの、独身にとどまっている理由といたしまして、結婚したい相手にまだめぐり合わないからという理由が約四割と最も多く、出会いの機会が少なく、また、出会ったとしても結婚まで結びつかない状況がうかがえます。また、異性とうまく付き合えないからとの理由を挙げている方も二割いらっしゃいました。  そこで、本県では、出会いサポートポータルサイト、あいこんナビで、これまでも自分に合った婚活イベントの選び方やイベント参加に向けての心構え、お付き合いの進め方など、婚活を始めようとする方を後押しする情報を提供してまいりました。  今回の婚活イベント実施に当たっては、まずは市町村や従業員の結婚を応援する企業とも連携して広く周知し、できるだけ多くの方に御気軽に参加いただけるよう働きかけるとともに、服装のアドバイスでありますとか交流時に役立つ会話、マナーなどを事前にオンラインで受講していただく機会を設けたいと考えております。  次に、婚活イベントの継続についてでございます。  今回の婚活イベントは、県が主催するものとしては四百人というかつてない規模で、また、事前にオンラインセミナーを組み合わせるなど、モデル的な事業であると考えております。  そこで、参加者に対して、事前オンラインセミナーの内容やイベント当日の運営等について感想や御意見をお聞きするとともに、マッチングの成立状況や、イベント終了後一定期間経過した時点の状況等もフォローするアンケート調査を実施するなどいたしまして効果を検証し、今後の取組の検討に生かしてまいりたいと考えております。 71: ◯三番(松本まもる君) 御答弁ありがとうございました。  少子化の問題は、本日の一般質問でも午前中にございました。少子化に対する行政からの応援は今後も継続的に必要だと考えます。結婚や出産など、個人の生き方に行政が介入すべきではないとの声もあるのは確かでございますけれども、一歩を踏み切れず、勇気を振り絞れない方々にとっては非常に心強い取組であり、少子化対策の本県の目玉事業として、今後、国からの交付金にとらわれず、今回のイベントを契機に、次回以降、生かせるようデータ取り等をしていただき、よりよい事業としてしっかりと続けていただけることを要望して質問を終わります。 72: ◯議長須崎かん君) 進行いたします。  杉浦哲也議員。 73: ◯九番(杉浦哲也君) それでは、私からは、歳出第三款県民環境費第五項環境対策費のうち、地球温暖化対策事業費の中から、三河湾におけるブルーカーボンの取組についてお伺いをいたします。  県が二〇一四年に策定した三河湾環境再生プロジェクト行動計画では、干潟、浅場、藻場の造成、保全を行うことを目標の一つに掲げ、これまで干潟、浅場の造成を行うとともに、漁業者や地域住民がアマモの種を植えつけ藻場を増やす活動に対し、国や地元市町と連携した支援がなされてきております。  藻場、浅場等は多くの水生生物の生態を支え、産卵や稚魚の生育の場を提供していることに加え、近年、藻場などに生育する海藻などにより貯留される炭素はブルーカーボンと呼ばれ、CO2吸収源の新たな選択肢として注目を集めているところであります。  このブルーカーボンについては、昨年十二月に改定をされましたあいち地球温暖化防止戦略二〇三〇においても、CO2の新たな吸収源対策として、ブルーカーボンの貯留の促進が盛り込まれたところであります。  藻場による単位面積当たりのCO2吸収量は、森林と比較をして二倍から三倍になるとも言われており、大変大きなポテンシャルを持っております。  一方、三河湾の藻場面積については、現在、環境省において最新の調査結果の取りまとめが行われているところでありますが、現在公表されている環境省の調査結果によれば、一九七三年に三河湾に存在していた九百四十九ヘクタールの藻場は、一九九六年度にはおよそ六割の五百七十ヘクタールまで減少しており、漁業者の話によれば、今ではもっと減っているのではないかとのことであります。  こうした状況にある藻場の保全、拡大は、これまでの環境再生という観点に加え、カーボンニュートラルの実現に貢献する新たな重要な手だてとしてしっかりと取り組んでいく必要があると考えます。  そこでお尋ねをいたします。  三河湾におけるブルーカーボンの取組について、県として今後どのように進めていくのかお伺いをいたします。
    74: ◯環境局長(水野達也君) 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現には、CO2吸収源を活用した対策の強化が不可欠であり、藻場の再生によるブルーカーボンの拡大に向けた実証実験を三年計画で行うこととしております。  一年目となる来年度は、海藻等の生育に適した環境条件を把握するため、三河湾内の三か所程度の実証実験候補地において、水温や日照、波浪、塩分などの調査を行います。そして、この調査結果を基に、三河湾に適した効果的な藻場の造成に向けた実証実験の手法を検討するとともに、関係者との調整を図りながら実施場所の選定を行います。  二年目には、漁業関係者の協力や一般県民の参加も得て実証実験を行い、三年目には実験の効果検証を行う予定としております。  こうした海藻等の生育環境調査や実証実験の状況は、来年度新しく立ち上げるブルーカーボン関係のウェブページにおいて随時発信してまいります。  また、来年度には、ブルーカーボンに関する県民の皆様の認知度をアップさせるとともに、藻場の保全、再生に一層関心を持っていただくため、ブルーカーボンの意義や最新の知見、本県での藻場再生の活動事例などを紹介するシンポジウムを開催いたします。  今後、県民をはじめ幅広い関係者の理解と協力を得ながら、藻場の再生、ブルーカーボンの取組を着実に推進してまいります。 75: ◯議長須崎かん君) 進行いたします。  村瀬正臣議員。 76: ◯二十二番(村瀬正臣君) 私からは、歳出第二款総務企画費第六項防災安全費のうち、自主防犯活動推進費についてお伺いいたします。  本県の刑法犯認知件数は近年減少傾向にありましたが、二〇二二年には四万千二百四十八件と、二〇二一年に比べ三千四百十六件、率にすると九・〇%増加したとのことであります。  中でも、侵入盗の認知件数は二千五百五十八件で三百七十八件、一七・三%の増加、全国順位はワースト三位、自動車盗は八百八十四件で百三十九件、一八・七%増加し、全国ワースト一位になっているとのことであります。  また、特殊詐欺による被害は被害総額二十億二千九百四万円と、前年から六億五千八百五十四万円も増加したとのことであります。  これら侵入盗、自動車盗、特殊詐欺などの県民の安心・安全な生活を脅かす犯罪を減少させるためには、個人個人が意識し対策をすることはもちろん、自主防犯団体などによる地域における活動の促進を図り、地域全体の防犯力を向上させることが重要であると考えます。  県では、現在、二〇二一年三月に策定したあいち地域安全戦略二〇二三に基づき、侵入盗、自動車盗、特殊詐欺の三つを重点罪種として掲げ、様々な施策に取り組んでおられます。  その中で、地域防犯力向上のため、自主防犯団体の活動支援を行っていると伺っておりますが、それに加えて、市町村において実施する防犯対策に必要な設備、機器の購入や設備を補助する制度に対して支援を行う自主防犯活動促進事業費補助金を新たに創設して、市町村と連携して地域防犯力のさらなる向上を図るとのことであります。増加傾向に転じた刑法犯認知件数を再び減少させるための取組として、この補助制度の活用に大いに期待するところであります。  そこでお伺いいたします。  本補助金を活用して、どのように地域防犯力の向上に取り組んでいくのかお伺いをいたします。 77: ◯防災安全局長坂田一亮君) 地域防犯力の向上に向けた取組についてお答えをいたします。  本県では、あいち地域安全戦略二〇二三で重点的に取り組む基本戦略の一つとして、地域防犯力の向上、防犯意識の醸成を掲げ、自主防犯団体の設立促進や、他のモデルとなる地域の先駆的な取組への支援などに取り組んでまいりました。  しかしながら、昨年来、身近な犯罪である侵入盗、自動車盗、特殊詐欺による被害が多発傾向にあり、これらの犯罪への対応として、地域防犯力をさらに高めていくことが喫緊の課題となっております。  このたび創設する自主防犯活動促進事業費補助金は、こうした身近な犯罪を防止するため、市町村が自主防犯団体等の防犯カメラなどの防犯対策設備・機器購入を支援する取組に対し、県としても支援を行い、市町村、自主防犯団体の取組を一層促進するものであります。  この取組を効果的に進めていくためには、自主防犯団体や住民お一人お一人が防犯について自ら考え、主体的に取組を進めていただくことも重要であり、防犯意識の向上も併せて進めていく必要があります。  このため、県警察、市町村、自主防犯団体など関係者との連携、協力の下、防犯意識の向上に向けた広報啓発活動に積極的に取り組んでまいります。  具体的には、季節ごとに実施する安全なまちづくり県民運動の啓発キャンペーンや高齢者向けの特殊詐欺被害などを紹介したチラシの配布、各種セミナーの開催などの中で、防犯意識の醸成とともに、侵入盗などの身近な犯罪の危険性や、防犯カメラ、特殊詐欺対策機器の有用性の周知にも取り組んでまいります。 78: ◯議長須崎かん君) 進行いたします。  おおたけりえ議員。 79: ◯十七番(おおたけりえ君) それでは、第四款福祉医療費第三項児童家庭費の中で、保育施設の育児休業取得時における継続利用について伺います。  保育施設に通っている子供がいる親御さんが、出産して育児休業を取得する際に、上の子供が退園になってしまう問題が以前よりありますが、近年、要件によっては継続利用できるように改善が図られてきております。  ここで、皆さんに少し考えていただきたい事例を御紹介いたします。一つ目のケースは、保育施設に通っている二歳の子供がいる方が出産されて育児休業を取得される場合。二つ目のケースは、保育施設に通っている一歳のお子さんがいる方が、多胎、つまり双子以上の赤ちゃんを出産されて育児休業を取得する場合。この二つのうち、上の子供の保育園の継続入所が認められるのはどちらでしょうか。  私の住む豊川市では、一つ目のケースでは継続入所が認められ、二つ目のケースでは認められていません。つまり、一歳になる子と零歳の双子と同時に三人見ることになります。豊川市では、育休の継続入所できる要件は二歳以上と決まっているからです。このことは、多胎育児の大変さが一般に理解されていないことから起こっていることと考えます。もっと多胎育児をしている方々に寄り添う制度となるよう考え方を県内に広めていくべきと考えております。  現在の制度では、育児休業期間中に保育施設が継続利用できるかどうかは各市町村によって異なります。市町村は、国の基準に基づいて、自分の自治体の保育施設や保育士の充足状況を鑑みて、それぞれ基準を決めております。  国の基準は、内閣府、文部科学省、厚生労働省の連名で出されている、子ども・子育て支援法に基づく教育・保育給付認定等並びに特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業者の確認に係る留意事項等についての中で、「1)次年度に小学校入学を控えるなど、子どもの発達上環境の変化に留意する必要がある場合、2)保護者の健康状態やその子どもの発達上環境の変化が好ましくないと考えられる場合など市町村が児童福祉の観点から必要と認めるときは、保育の必要性に係る事由に該当するものとして、継続して利用を可能」とされており、この考え方を基に各自治体が基準をつくっております。  県内の自治体では、年齢を基準として示している自治体が多いのが現状です。三歳以上の子供に継続利用を認めている自治体が二十七市町村、私の住む豊川市のように二歳以上の子供に認めている自治体が十四市、一歳以上の子供に認めている自治体が一市、年齢制限を撤廃し、そのまま継続して利用できる自治体が名古屋市、豊橋市、豊田市、一宮市、稲沢市、東郷町、豊山町、津島市、愛西市、大治町、飛島村の十一市町村です。年々継続できる要件を拡大している自治体が増えております。  また、豊田市のように多胎育児の大変さに着眼した基準をつくっている自治体もあります。豊田市では、多胎出産の方は、予定月から前後二か月という通常の規定に二か月プラスをして七か月利用できるようになっているそうです。  なお、先ほど申し上げましたが、豊田市は来年度からは年齢制限なしで利用できるように条例改正するとのことでした。県外でも、所沢市では、市の要綱において、保育施設の継続利用の要件に多胎出産の項目を入れております。  国の内閣府子ども・子育て本部に、この基となる規定の考え方を伺ったところ、この規定は何歳だからよいと年齢のことを言っているわけではないので、児童福祉の観点から各自治体で考えてほしいとのことでした。  このような状況を踏まえ、県として、県内の多胎育児で大変な思いをされている方を少しでも助けるため、市町村が定める基準に多胎育児支援の考え方が取り入れられるようにアクションをすべきだと考えますが、お考えを伺います。 80: ◯福祉局長橋本礼子君) 育児休業取得時における保育所等の継続利用の基準についてお答えいたします。  就労を事由に保育所に子供を預けていた保護者の方が、新たに妊娠、出産し、育児休業を取得することとなった場合、その時点で就労という事由には合致しないことになります。  こうしたケースでは、議員お示しのとおり、保護者の健康状態やその子供の発達上環境の変化が好ましくないと考えられる場合など、市町村が児童福祉の観点から必要と認めるときは継続利用が可能となっております。その必要性については、市町村がそれぞれの地域における保育の実情を踏まえて判断しているものと承知しております。  県といたしましては、こうした継続利用の基準について、また、多胎児家庭には一人のお子さんの育児とは全く異なる大変さがあると聞いておりますことから、多胎児を育てる保護者への配慮の有無等につきましても、各市町村の取組状況や具体的な実施例等を把握いたしまして、市町村と情報共有するとともに、必要に応じて助言を行ってまいりたいと考えております。  引き続き、保育の実施主体である市町村と連携し、よりよい保育サービスが提供されるよう支援に努めてまいります。 81: ◯議長須崎かん君) 進行いたします。  佐藤英俊議員。 82: ◯二十五番(佐藤英俊君) 私からは、歳出第三款県民環境費第二項文化学事振興費第一目文化学事振興総務費のうち、文化芸術継承事業費についてお尋ねします。  近年、人口減少、少子・高齢化、過疎化、そしてコロナ禍などの影響で、地域のお祭りなど伝統文化の存続が危ぶまれています。  私の住む一宮市朝日連区に玉野道行囃子という伝統芸能があります。玉野道行囃子は、地元にある玉野八剱神社の秋祭りで各地域から神社までの道中に演奏されていた歴史深いおはやしですが、祭りの中断とともに途絶えてしまいました。昭和五十年頃に一度復活しましたが、継続されることなく、その後、演奏されなくなりました。  しかし、そのおはやしの録音は、朝日連区で毎年旧正月に行われる稲沢市の国府宮神社はだか祭の鏡餅奉納パレードに使われており、連区の人々にとっては大変親しみのあるおはやしであります。この地域特有の伝統芸能は後世へ継承する活動がされておらず、演奏ができる方もみえなくなり、生の演奏を聞いた人も少なくなってきてしまいました。  平成三十年より朝日連区で新たに盆踊り大会が開催されるのに伴い、地域の伝統芸能を発表する機会が設けられることとなり、途絶えていた玉野道行囃子を復活させ、盆踊り大会で演奏を披露することとなりました。これで、玉野道行囃子を毎年練習し、演奏を披露すれば、次世代につなげられることになると地域の人も喜んでいました。  しかし、その後は、新型コロナウイルス感染症拡大で、三年間は練習もできず、もちろん発表の場もなく、また存続の危機となりました。  地域の伝統芸能を大切に思い、伝統を研さんし、つなげていこうとする地元の方々の活動は地域社会においても重要なことであると思われます。しかし、現在は、人材確保、育成の難しさや新型コロナウイルス感染症の影響など、なかなか困難な状況であり、状況打開は容易ではないと思われます。  県は、愛知県文化芸術振興条例に基づく基本的な計画として、二〇一八年度にあいち文化芸術振興計画二〇二二を策定し、文化芸術の振興に関する施策を推進しました。この計画期間が今年度末で満了を迎えることから、これまでの取組や社会情勢の変化、世論調査の結果等を十分に踏まえ、二〇二三年度を始期とするあいち文化芸術振興計画二〇二七を本年度十二月に策定されたところであります。  新型コロナウイルス感染症の影響等を受け、以前のような文化活動が困難になったことなどにより、次世代への継承や担い手となる人材の育成が危ぶまれる伝統文化をはじめとした文化芸術の振興について、本計画に基づき、どのように取り組んでいくのかお伺いします。 83: ◯県民文化局長伊藤正樹君) 文化芸術を担う人材を支援し、継承し、育成することは、県の重要な役割であり、あいち文化芸術振興計画二〇二七では、基本目標の一つとして、新たに愛知の文化芸術を未来につなぐ人づくりを掲げ、文化芸術の担い手や支え手などの人づくりに関する施策に一層取り組んでいくこととしております。  具体的には、愛知県文化活動事業費補助金の補助メニューの一つであります伝統文化団体が後継者を育成するために行う研修事業等に対する支援に加えまして、来年度は新たな取組として伝統文化を気軽にお楽しみいただけるイベントを開催します。  このイベントでは、舞いや伝統楽器などをはじめとした伝統文化に関する実演とトークショーを御覧いただき、理解を深めていただきます。あわせて、実際に体験できるワークショップなどを実施することにより、幅広い層に関心を持っていただけるよう、伝統文化に触れるきっかけの場を提供いたします。  また、そのイベントの様子を動画として制作し、県内の小学校等において教材として活用いただき、イベントに参加していない子供たちにも関心を高めてもらえるよう働きかけてまいります。  こうした取組を着実に推進し、次世代への継承と担い手となる人材の確保につなげていくことにより、本県におけるさらなる文化芸術の振興を図ってまいります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 84: ◯四十一番(山田たかお君) 本日はこれをもって散会し、明三月八日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 85: ◯議長須崎かん君) 山田たかお議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 86: ◯議長須崎かん君) 御異議なしと認めます。  明三月八日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時二十八分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...